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文献詳細

雑誌文献

medicina49巻7号

2012年07月発行

今月の主題 肝硬変update―より良き診療のために

肝硬変診療のトピックス

アルブミン製剤をどう使うか

著者: 安村敏1

所属機関: 1富山大学附属病院輸血・細胞治療部

ページ範囲:P.1233 - P.1233

文献概要

 静脈内投与されたアルブミンは10~15分で血管内に均一に拡散し,4~7日で血管外にプールされて均一に分布するため75%は血管外に移動する.手術や外傷などの侵襲で血管透過性が亢進している状態では,血管外プールはさらに増加する.

 約7,000例を対象とした重症救急患者への輸液蘇生法に4%アルブミンと生理食塩水のみの使用を比較した前向き大規模比較試験(SAFE Study)では,死亡の相対リスク,臓器不全発生率,ICU在室日数,入院日数,人工呼吸日数,腎臓置換療法日数のいずれも2群間で有意な差はみられなかった.460例の外傷性脳損傷の患者では,アルブミン群で有意に死亡率が高く,特に重症例では致死率は高かった.重症敗血症患者1,218例を対象にしたサブグループでのみ,死亡率はアルブミン投与群で有意に低い結果が得られ,現在,欧州を中心に重症敗血症を対象にした複数の臨床研究が進行中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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