medicina49巻8号

2012年08月発行

今月の主題 痛風・高尿酸血症診療の新展開

血清尿酸値をいかに下げるか

高尿酸血症・痛風患者の生活指導

著者： 嶺尾郁夫¹ 末原節代¹ 岡内幸義¹

所属機関： ¹市立豊中病院糖尿病センター

ページ範囲：P.1412 - P.1414

文献概要

ポイント

★高尿酸血症・痛風患者は高率に肥満（特に内臓脂肪蓄積）を合併し，体重の減量は尿酸値のみならず血圧，脂質，耐糖能異常などメタボリックシンドロームの各種病態を是正する．

★食事療法は，プリン体制限から総エネルギーの制限が重視されるようになっている．

★食事療法は，高プリン食（特に肉類や魚介類由来のもの）を控える程度に指導する．

★アルコール飲料は，エタノール代謝に伴い血清尿酸値を増加させる．ビールは相当量のプリン体を含有し，尿酸値が特に増加しやすい．

★尿量2l/日以上を確保するように十分な飲水を指導し，尿路結石を予防する．

参考文献

1）日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会（編）：高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン，第2版，メディカルレビュー社，2010

2）嶺尾郁夫，他：高尿酸血症とメタボリックシンドロームの合併：病態意義と実地診療での対応．モダンフィジシャン 30：1399-1402, 2010

3）Choi HK, et al：Purine-rich foods, dairy and protein intake, and the risk of gout in men. N Engl J Med 350：1093-1103, 2004

4）Choi HK：A prescription for lifestyle change in patients with hyperuricemia and gout. Curr Opin Rheumatol 22：165-172, 2010