icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina49巻9号

2012年09月発行

文献概要

今月の主題 内科診断の本道―病歴と身体診察情報からどこまでわかるか? 内分泌・代謝疾患

副腎不全

著者: 横田健一1 柴田洋孝1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科

ページ範囲:P.1588 - P.1592

文献購入ページに移動
ポイント

★副腎皮質機能低下症の診断は,全身倦怠感,易疲労感,体重減少,消化器症状などの非特異的な症状から疑うことが大切である.

★診断は,迅速ACTH負荷試験を行い,ピークの血清コルチゾール濃度が18μ/dl未満のときに確定診断される.

★Addison病の初期は,副腎予備能が残存するために,通常の検査所見では異常を認めないが,副腎機能の低下につれて低Na血症,高K血症,正球性貧血,リンパ球増加,好酸球増加などの異常を認める.

★副腎皮質機能低下症が疑われるときは,検査結果が出るのを待たずに,ただちに糖質コルチコイド補充を行うべきである.

参考文献

1)Arlt W, Allolio B:Adrenal insufficiency. Lancet 361:1881-1893, 2003
2)柴田洋孝:副腎皮質機能低下症.森昌朋(編):内分泌・糖尿病内科学,151-157,シュプリンガージャパン,2011
3)横田健一,他:Addison病.成瀬光栄,他(編):内分泌代謝専門医ガイドブック,205-210,診断と治療社,2009
4)Oelkers W:Adrenal insufficiency. N Engl J Med 335:1206-1212, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?