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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻1号

1968年01月発行

文献概要

EDITORIAL

抗生物質の使いかた

著者: 長谷川弥人1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.60 - P.60

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 抗生剤を使用する医師を3群に分けることができると思う。まず発熱患者をみれば,すぐ投与する薬局型,次は菌の感受性を一応しらべるが,その成績に依存する過信型,先人の経験を尊重し,病型,薬剤の特異性を考慮して使用する適正型とである。抗生剤の感受性測定はかなり変動があることは英国臨床病理学会の報告をまつまでもないし,また過信すべきでないことは先人の常に強調するところである。しかるに多くの医師は今なおII型に止つているのはなぜだろうか。
 思うに,多くの感染症は自然治癒力があるので,多少適正でない抗生剤を使用しても治癒するので,安易に考えているのでなかろうか。しかし重症感染症,たとえば敗血症,亜急性細菌性心内膜炎では適正な治療でないと治癒しないのみならず死亡するのである。たとえばこれらの症例に原因菌が感受性であるとの理由で,先人の警告を無視してまずTC,CM,EMなどを使用して,死に至らせている例が,残念ながらかなりしばしば医学雑誌にみられるのである。これより推測すると,かなり多くの方が,このような間違つた治療法をしていることが明らかである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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