icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina5巻10号

1968年10月発行

文献概要

治療のポイント

妊娠と弁膜症

著者: 広沢弘七郎12

所属機関: 1東京女子医大心研 2東京女子医大内科

ページ範囲:P.1196 - P.1197

文献購入ページに移動
妊娠が弁膜症患者に与える影響は
 弁膜症の患者が妊娠することを,なぜ問題にするか,考えておく必要がある.弁膜症は不治の病で,常に,血行力学的負荷を受けている.健康人に比べて,いわゆる予備力が少なく,したがって,よけいな重荷がかかれば代償不全の状態に陥りやすい.代償不全になると苦しいのはもちろんであるが,さらに,病気そのものを悪化進行させ,再びもとへ戻らないようになるおそれがある.その極限は死である.
 妊娠は,母体に対してかなりの重荷になる.心拍出量などにより表わされるところでは最高40-50%の心仕事量の増加をきたす.しかも,この仕事量の増加は,1日24時間休みなく続き,休む余裕がない,単純な肉体運動の重荷などとは異なる.一度始まったら,10カ月間,しかもしだいに増してゆく重荷である.簡単には脱出できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?