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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻10号

1968年10月発行

文献概要

病歴のとりかた

神経疾患

著者: 祖父江逸郎1

所属機関: 1名大第1内科

ページ範囲:P.1209 - P.1212

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病歴聴取は臨床神経学検査の一部である
 病歴が疾患診断上重要な価値のあることはいうまでもない.じょうずにとられた病歴は,それだけでかなり正確な診断が可能である.これほど重要であることがくり返し強調されておりながら,実際には軽視されがちであり,また病歴のとり方についても十分な訓練が行なわれていない.
 病歴は疾患についての経過や具体的ないろいろの事実を,ありのまま必要にして十分な条件を満たすよう整理し,診察の重要な参考にするとともに,記録として残すという性格をもっている.このような病歴聴取の過程が,同時にベットサイドでの診察の一部であることも忘れてはならない.患者の態度・表情・姿勢・運動・表現の仕方,理解の程度などについても観察が可能であり,また付き添い者のようすなどにもたえず注意を向けておく必要がある.できればこれらの印象をも簡単にまとめて,つけ加えておくと診断上役だつことが多い.不随意運動など,実際の診察時にはみられないで,病歴聴取の時にすでに観察されることがある.神経疾患ではこのようなことが,かなり多いので,病歴聴取が臨床神経学検査の一面をなしていることを強調しておきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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