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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻11号

1968年11月発行

文献概要

EDITORIAL

室内塵とダニの抗原性の共通性

著者: 宮本昭正12

所属機関: 1国立相模原病院第3内科兼アレルギーセンター 2国立相模原病院アレルギーセンター

ページ範囲:P.1310 - P.1310

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 気管支喘息やアレルギー性鼻炎の病因的抗原として室内塵が最も重視されているが,室内塵は動・植物の繊維,食物残渣,カビ類,細菌類など種々雑多なものの混合物であって,それらのうち何が最も重要であるか不明であった.そして,今までにもいろいろな学者が検討を加えたが,満足すべき結論は得られなかった.最近,われわれの検索の結果,室内塵には,集めた家屋や場所のいかんにかかわらず1g中,数百から2000匹を越えるダニ(大きさは約100μ)が含まれていることが明らかになった.もちろん,その数は死骸や生棲中のものなど,形をなしているすべてのものをも含めた数である.
 われわれはダニが室内塵中の重要な抗原性物質なのではなかろうかと推定し,純培養に成功したダニの一種コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)の抽出液の倍々稀釈を用いて皮内反応を行ない,陽性をきたした最大稀釈液を閾値として,その閾値と,室内塵抽出液での閾値とを比較してみたところ,きわめて高い相関を示した.また,室内塵抽出液の吸入誘発試験で陽性を.示した喘息患者にダニの抽出液を用いて吸入誘発試験を行なってみたところ全例陽性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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