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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻12号

1968年12月発行

文献概要

臨床メモ

頻拍症のベッドサイド診断

著者: 土肥豊1

所属機関: 1七沢病院

ページ範囲:P.1431 - P.1431

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 突発する頻拍症の発作に際して,ベッドサイドで直ちにある程度の判断を下し,適当な処置を行なわねばならぬことに時として遭遇する.こんな時,ただ漫然と心電計が届くのを待つよりも,まず手と耳を使ってできるだけ診断を試みようと努力することも医師として大切なことがらであろう.私は以下のようにしながら,心電計がくるのを待つことにしている.
 脈はまず規則的か不整であるか? 前者なら洞性頻拍,上室性頻拍,心室性頻拍等が属するであろうし,後者なら心房細動・粗動,ブロックを伴った上室頻拍等であろう.次に心音を聞いてみよう.心尖部第1音が時として強くあるいは弱く変動するものは,前者の中では心室性頻拍であり,上室性ないし洞性のものはほとんど変化しないといってよい.心音を聞きながら,頸静脈の拍動に注意してみよう.心室性頻拍症なら心音に同期しない強弱の拍動が観察できるであろうし,心房粗動なら高頻度の拍動を時として見ることができるであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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