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治療のポイント
肺化膿症—内科的治療の限界
著者: 岡捨己1
所属機関: 1東北大抗酸菌病研究所
ページ範囲:P.1432 - P.1433
文献購入ページに移動内科的治療で全治させるための治療原則
与えられた"この問題"にふれるまえに,肺化膿症の治療の原則を総括的にまず述べなければならない.これは逆説的になるおそれがあるが,肺化膿症は内科的治療で全治させることが理想であるからである.その根幹は次のようである.1)早期に起炎菌に対し有効な抗生物質を十分に投与し,2)肺実質内,空洞内から壊死物質がたやすく喀出されやすいような姿勢をとらせること(体位転換postural drainage),3)疲をやわらかくし出やすくするように,蛋白融解酵素,界面活性剤,気管支拡張剤を内服または噴霧療法(Aerosol,Nebulizer)で与え,肺実質内にSequester,pyofibrosisが残らないように努めることである.
しかし,治療が遅れ,起炎菌が耐性となるか,合併症を併発したり,また空洞が遺残して痰,発熱,血痰が続く場合があるので内科的治療の限界を明確にしておかねばならない.
与えられた"この問題"にふれるまえに,肺化膿症の治療の原則を総括的にまず述べなければならない.これは逆説的になるおそれがあるが,肺化膿症は内科的治療で全治させることが理想であるからである.その根幹は次のようである.1)早期に起炎菌に対し有効な抗生物質を十分に投与し,2)肺実質内,空洞内から壊死物質がたやすく喀出されやすいような姿勢をとらせること(体位転換postural drainage),3)疲をやわらかくし出やすくするように,蛋白融解酵素,界面活性剤,気管支拡張剤を内服または噴霧療法(Aerosol,Nebulizer)で与え,肺実質内にSequester,pyofibrosisが残らないように努めることである.
しかし,治療が遅れ,起炎菌が耐性となるか,合併症を併発したり,また空洞が遺残して痰,発熱,血痰が続く場合があるので内科的治療の限界を明確にしておかねばならない.
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