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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻12号

1968年12月発行

文献概要

内科疾患と皮膚・11

帯状疱疹

著者: 西山茂夫1

所属機関: 1東大皮膚科

ページ範囲:P.1441 - P.1444

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帯状疱疹の発生病因
 帯状疱疹(Herpes zoster)は,水痘ウィルスと全く区別できない,または同一のウィルスによる"Dermo-(muco)-neuro-ganglio-radiculo-myelitis"である.今日の見解によれば,このウィルスは単に"帯状疱疹"という皮膚病変を生ずるだけではなく,いろいろな程度に内臓をおかすものであり,したがって全身性疾患と考えられている.そこでHerpes(疱疹)という語をとって,単に"Zoster"とも呼ばれている.
 病原ウィルスの浸入門戸は明らかではないが,帯状疱疹の発生病因の仮説として,次のように考えられている.すなわち,小児期に感染した水痘ウィルスは,一般にかなり長期間の免疫を生ずるのが普通であるが,時に神経細胞の中に存在している.そして大量の新しい感染があるか,外傷,中毒などの誘因があるか,またはそのほかの感染症,脊柱変性性の疾患,抵抗性の減少をきたすような疾患がある時に,後根に存在するウィルスは活性を得,該当する分節において,帯状疱疹として現われるとされている.その分節性は,おそらく残存している抗体の量によって左右されるのであって,もし抗体がないと疱疹は汎発性となるらしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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