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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻2号

1968年02月発行

文献概要

治療のポイント

高血圧性脳症

著者: 後藤文男1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.214 - P.215

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高血圧性脳症とは
 高血圧性脳症の治療を行なうには,まず患者が本当に高血圧性脳症であるかどうかを確かめる必要がある。とかく高血圧性脳症という言葉がルーズに使われやすく,高血圧症の患者になにか一過性の神経症状があると,すぐ高血圧性脳症と診断してしまう傾向がある。医学の進歩とともに,従来,漠然と高血圧性脳症といつていたものの中からいろいろな疾患が分離独立し,現在ではきわめて限られた条件を備えたもののみが高血圧性脳症といわれている。
 Fishbergは高血圧性脳症には二つの型があり,第1型は,一過性の神経症状の発作を起こすもので,必ずしも著明な血圧上昇がない。第2型はいちじるしい高血圧とともに,痙攣,髄圧上昇がありこれらは脳浮腫によるものとした。しかし,現在ではFishbergのいう第1型は一過性脳虚血発作あるいは脳血管不全としてまつたく別の疾患と考えられており,第2型のみが高血圧性脳症として取扱われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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