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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻2号

1968年02月発行

ずいひつ

身体の知恵

著者: 時実利彦1

所属機関: 1東大脳研生理

ページ範囲:P.228 - P.229

文献概要

ホメオスタシスという身体の知恵
 "The Wisdom of the Body"—身体の知恵—アメリカの生理学者W. B. Cannonが,かれのライフワークをまとめて,1935年に出版したモノグラフの題目である。
 かれは,動物や人間に強烈な刺激(ストレス)が加わると,自律神経やホルモンのはたらきによつて,身体のなかの状態(内部環境)をその刺激に対抗して,できるだけ恒常にたもつようなしくみがちやんとそなわつているという。つまり,恒常性維持(ホメオスタシス)のしくみという"身体の知恵"によつて,身体の健全な営みが理性や知性の助けをかりないでも行なわれているというのである。気温が変わつても,私たちの体温は一定にたもたれているし,食物がどんなに違つていても,血液の成分は一定しているし,心臓や肺や胃や腸など,状況に応じてそれぞれ合理的にはたらいている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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