文献詳細
グラフ
文献概要
直腸鏡は肛門内部から上方S状結腸下半部までの内腔を見ることができるのみならず,病変部の生検,すなわち小試験組織片を容易に採取することができる.特別の麻酔の必要もなく,適当な体位で無理をしなければ,危険もほとんどなく,患者に苦痛を与えることもないから,もつとも確実な決定的診断法として外科医だけでなく,一般内科医も,もつともつと日常行なつていただきたい検査法である.直腸鏡は真直ぐな器具であるからS状結腸屈曲部を越してその上部は見えないのが普通である.肛門から25cm附近まで見えれば,まず満足すべきであろう.安全な検査だとはいえ腸穿孔例も報告されていることであるから,無理な操作はくれぐれも禁物である(7).
掲載誌情報