icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina5巻3号

1968年03月発行

文献概要

診断のポイント

脳血管の先天異常

著者: 野村隆吉1

所属機関: 1国立名古屋病院脳神経外科

ページ範囲:P.350 - P.352

文献購入ページに移動
脳血管奇形は脳腫瘍の3倍もある
 脳の血管疾患は,近時その死亡率が高いことから,しだいに医学界の注目を集めるようになつてきた。そのなかで先天奇形にもとづく疾患はなお十分な認識がもたれていないように思われる。
 一般に脳血管の先天奇形といえば,かなりまれなものと思われやすいが,けつしてそうではない。Courvilleによれば,かれのシリーズ中,剖検1,000例につき6例の脳血管奇形を認めている。同じシリーズで,脳腫瘍が1,000例につき2例であるところからみれば,脳血管奇形は,脳腫瘍の3倍の発生頻度をもつということになる。Courvilleのシリーズは剖検例についてであるから,臨床例からすれば,この頻度はさらに多いものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?