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脳血管の先天異常
著者: 野村隆吉1
所属機関: 1国立名古屋病院脳神経外科
ページ範囲:P.350 - P.352
文献購入ページに移動脳血管奇形は脳腫瘍の3倍もある
脳の血管疾患は,近時その死亡率が高いことから,しだいに医学界の注目を集めるようになつてきた。そのなかで先天奇形にもとづく疾患はなお十分な認識がもたれていないように思われる。
一般に脳血管の先天奇形といえば,かなりまれなものと思われやすいが,けつしてそうではない。Courvilleによれば,かれのシリーズ中,剖検1,000例につき6例の脳血管奇形を認めている。同じシリーズで,脳腫瘍が1,000例につき2例であるところからみれば,脳血管奇形は,脳腫瘍の3倍の発生頻度をもつということになる。Courvilleのシリーズは剖検例についてであるから,臨床例からすれば,この頻度はさらに多いものと考えられる。
脳の血管疾患は,近時その死亡率が高いことから,しだいに医学界の注目を集めるようになつてきた。そのなかで先天奇形にもとづく疾患はなお十分な認識がもたれていないように思われる。
一般に脳血管の先天奇形といえば,かなりまれなものと思われやすいが,けつしてそうではない。Courvilleによれば,かれのシリーズ中,剖検1,000例につき6例の脳血管奇形を認めている。同じシリーズで,脳腫瘍が1,000例につき2例であるところからみれば,脳血管奇形は,脳腫瘍の3倍の発生頻度をもつということになる。Courvilleのシリーズは剖検例についてであるから,臨床例からすれば,この頻度はさらに多いものと考えられる。
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