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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻3号

1968年03月発行

文献概要

診断のポイント

吐血患者の胃内視鏡検査

著者: 崎田隆夫1

所属機関: 1国立がんセンター病院外来部

ページ範囲:P.355 - P.356

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吐血直後に検査を行なうための条件
 私に与えられた質問は,「吐血後どのくらいたつたら胃内視鏡検査を行なつてよいか」ということである。「吐血直後でも,あるいは吐血中であつても胃内視鏡検査を行なつてかまわない」これが私の答えである。ただしいくつかの条件がある。第1に,申すまでもないが,胃内視鏡検査になれた先生が行なわねばならない。第2に外科的処置を行なう便宜を手近に得られること。それが得られぬような環境では,従来のような保存的なやりかたでまず止血をはかるのがよいだろう。もちろん出血によりシッョクにおちいりそうな場合は,最初にそれに対する処置をせねばならない。
 絶食して腹に氷嚢をのせてじつとしているのが,上部消化管出血に対する昔からのやりかただが,これに真正面から反対しているのがPalmerである。かれが「上部消化管出血に対する積極的アプローチ」と名づけているその方法は,すでにご存知の方も多いと思うが,つぎのようである。「消化管出血例が入院したら,血液学的・生化学的検査を行なうとともに,ただちに輸血・輸液を開始する。同時に胃を冷水で洗浄し,出血がおさまつたところで,食道鏡検査・胃鏡検査,さらにひきつづいてX線検査を行なう。かくして1時間以内に診断を確定し,それぞれに適応した治療にとりかかる」というわけである。相当強引なこのやりかたには批判的な人も少なくないようだが,このような積極的な考えかたには同調者が多いように見受けられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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