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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻4号

1968年04月発行

講座 不整脈の心電図・4

心房細動および粗動

著者: 五十嵐正男1

所属機関: 1聖路加国際病院内科

ページ範囲:P.501 - P.505

文献概要

 図1Aでは心房収縮であるP波につづいて心室収縮のQRS-T波が現われ,これがくりかえされています。これは正常の洞性調律でありますが同図BになりますとP波はみられず,その代わりに基線の不規則な揺れがあり,QRSの出現もまつたく不規則になつています。これが心房細動で,心房には基線の揺れ-f波-に相当して小さい局所的な収縮が各所に起こつているだけで,心房の全体としての収縮はなく,収縮期直前の心房収縮による血液の流入はありません。しかし頻脈でさえなければこの不整脈の心臓の血行動態に与える影響はそれほど大きいものではなく,その意味では重症な,危険な不整脈ではないのですが,期外収縮についで多い不整脈で,しかもジギタリスによる治療がされないと一般に心拍が速くなり,心不全に移行しますので,その意味で十分に理解されていなければならないものです。
心房細動の原因
 すべての心臓病は心房細動の原因になりうると考えられますが,つぎの四つは特に重要です。i)僧帽弁疾患,ii)冠状動脈疾患,iii)甲状腺機能充進症,iv)心房細動があること以外には心臓にまつたく異常の認められないもの。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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