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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻6号

1968年06月発行

文献概要

ずいひつ

まちがうということ

著者: 時実利彦1

所属機関: 1東大脳研生理

ページ範囲:P.736 - P.737

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人間の脳と電子計算機のちがい
 4年ほど前に,電子計算機を研究している物理学者や数学者たちと,電子計算機と私たちの脳との優劣について話し合ったことがある.まず,計算の速さについてであるが,人間の計算能力もそんなにばかにしたものではない.驚くべき"計算の天才"が出現することがある.ビダーという10歳の子どもは,"年4分5厘の複利で,4,444ポンドの元金には,4,444日でどれだけの利息がつくか"という計算を,2分もかからないでやって,2,434ポンド16シル5.5ペンスという正しい答えを出したという.しかし,100万分の1秒で,8桁の数字を掛け合わす電子計算機の速さにはとてもかなわない.
 このちがいは,電線を流れるパルスの速さが,神経細胞のからみあいを伝わるパルスより1,000倍以上も速いためである.このように,計算の速さに非常なちがいはあるが,程度の差であって,絶対的なものではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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