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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻7号

1968年07月発行

文献概要

話題

興味ぶかい微細脳損傷症候群の研究方向—第71回日本小児科学会総会から(43年5月23-26日)

著者: 巷野悟郎1

所属機関: 1都立駒込病院小児科

ページ範囲:P.883 - P.883

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先天性喘鳴
 生後まもないころから,吸気時に胸骨上部を陥没させて,ゼイゼイまたはヒューヒューという音を発して,苦しそうな呼吸をする乳児がある.これを先天性喘鳴といって呼吸障害のひとつの症候群である.母親の訴えをよく聞くと,抱かれかたや睡眠しているか覚醒しているか泣いているか静かにしているかなどによって,喘鳴の現われかたに変化のあることがある.そして喘鴫はいつのまにか消失することがあるし,ときには年余にわたって聴かれることがある,この原因は,気管の一部に生まれつきのかたちの異常や軟弱部があったりして,吸気時にその部分が狭窄を起こすためであろうといわれ,また胸腺肥大による気管の圧迫,声帯のポリープなどがあげられているが,日常診療でこの原因をつきとめることはなかなかむずかしい.
 奥山(国立小児病院)は耳鼻科・外科・麻酔科の協力のもとに,10例の本患児について精査し治療している.そして喉頭鏡検査によって左反回神経麻痺,喉頭腫瘍,喉頭横隔膜(Laryngeal swab)などを認め,また喉頭鏡で異常を認めないで,喉頭軟化症(Laryngomalacia)と考えられる例があったと述べている.これらの症例のうちで呼吸困難のために気管切開を必要としたもの,局所手術を行なったものもあったが,喉頭軟化症は新生児期には呼吸困難が強かったが,その後はしだいに軽快し,1歳ごろまでには自然治癒したと述べている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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