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癌と内科医—ヒューマニズムの介入
著者: 小田切信男
所属機関:
ページ範囲:P.927 - P.929
文献購入ページに移動癌は内科的に治しうるか
主題の"癌"と"内科医"とを相互に気軽く結びつけてもよいか,といえば,それは問題であろう.内科医を内科的に病を治す者とする常識的見地からすれば"癌は内科的に治しうるか"がこの主題から問われてしかるべきであろう.その結果,内科医は癌とは無縁なもの,と断ぜられることになるかもしれない.
"内科医は1人も癌を治してはいないではないか""癌を治している者は,ただ外科医だけである"と語り,"この手で殺すこともあるが,この手で治すのだ"と言いきって,癌患者の活殺の権を握る者は,まさに外科医のみであり,内科医のごときは,ただ癌について語ったり書いたりする"癌ジャーナリスト"にすぎないと,勇ましく言い放つ誇り高き外科医も出てくるほどである.
主題の"癌"と"内科医"とを相互に気軽く結びつけてもよいか,といえば,それは問題であろう.内科医を内科的に病を治す者とする常識的見地からすれば"癌は内科的に治しうるか"がこの主題から問われてしかるべきであろう.その結果,内科医は癌とは無縁なもの,と断ぜられることになるかもしれない.
"内科医は1人も癌を治してはいないではないか""癌を治している者は,ただ外科医だけである"と語り,"この手で殺すこともあるが,この手で治すのだ"と言いきって,癌患者の活殺の権を握る者は,まさに外科医のみであり,内科医のごときは,ただ癌について語ったり書いたりする"癌ジャーナリスト"にすぎないと,勇ましく言い放つ誇り高き外科医も出てくるほどである.
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