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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻9号

1968年09月発行

文献概要

グラフ

CO2 Angiography—炭酸ガス注入による心嚢液貯溜の鑑別診断

著者: 五十嵐正男1 野辺地篤郎2

所属機関: 1聖路加国際病院内科 2聖路加国際病院放射線科

ページ範囲:P.1041 - P.1044

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 心嚢に液がたまっていると考えられる場合,それがどれくらいの量であるかを知るためには心嚢穿刺をして液体を吸引し,そのあとに同量の空気を入れれば,写真のうえで心嚢のなかの状態を明らかにすることができる.
 心嚢穿刺は心嚢液が多ければ危険は少ないが,液が少ないか,まったくないときには心筋穿刺になってしまうがあり,しかも心筋炎や心筋変性があって,心筋が脆く,薄くなっているときには致命的な出血性タンポナーデをひき起こす危険も伴う.したがって穿刺をするまえに心嚢液の有無について診断することはぜひ必要である.このために従来多くの検査法が述べられてきたが,十分満足できるものはなかった.しかし1957年に炭酸ガスによる心臓造影術が発表されて以来,きわめて容易に,危険なしに正確な所見が得られるので,たちまち米国を中心に普及されてきた.現在われわれの病院で行なわれている方法と装置をここに紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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