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日本内科学会認定内科専門医制度の発足に寄せて
著者:
楠井賢造1
所属機関:
1和医大内科
ページ範囲:P.1045 - P.1048
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日本内科学会では,昭和43年4月1日の第65回定期総会の議決・承認を経て,多年懸案となっていた内科専門医制度をいよいよ本年10月から発足する運びとなった.このときにあたり,ふりかえってこの間における本会理事・評議員,特にその中からかわるがわる選出された本制度に関する委員ならびに本制度審議会委員各位がこの制度を立案し,制定するに至るまでに示した態度や努力のいかに厳粛で,激烈きわまるものであったかをここでもう一度認識しなおす要がある.それと同時に,将来この制度がわが国の医学界ならびに医療体系環境の中ですくすくと育ち,やがて所期の実績を収めうるかどうかは,むしろ今後における日本内科学会の理事・評議員ならびに一般会員各位がこの制度をいかに深く理解し,その運営にあたってどこまで熱意をもって撓まざる精進・努力をつづけうるか否かにかかっていることを強調しておかなければならない.
なお,この制度は,日本内科学会が自主的に立案し,厳格な自己批判と検討を加えた後に制定されたものではあるが,将来その運営上,より改善すべき個所が指摘されれば,さらに検討して一部改正も可能である点,法的に制度化されたものとは著しく趣きを異にするところで,むしろ当事者にとっては幸いというべきである.