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文献詳細

雑誌文献

medicina5巻9号

1968年09月発行

文献概要

くすりの効きめ・9

β受容体遮断剤(3)

著者: 鈴木哲哉1

所属機関: 1実中研

ページ範囲:P.1086 - P.1088

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β遮断薬の構造
 図1にβ受容体の遮断薬を新旧とりまぜて並べてみたのだが,このうちアゴニストであるイソプロテレノールはべつとして,実際発売されているのはプロプラノロール(インデラール・住友)ただ1つである.もっとも別枠にしたイプロベラトリール(ワソラン・エーザイ)もβ遮断作用をもつといわれているが,構造式がほかのものとかけ離れているから,ここでは割愛することにしよう.
 D. C. I. はイソプロテレノールと構造が酷似していることがおわかりと思う.もともとイソプロテレノールの拮抗剤としてつくられたものだが,β受容体に対してはときに抑制するが,ときにこれを刺激する.つまりβアンタゴニストである一方,βアゴニストでもあるために動物実験にはさかんに使われたが,ついに人の治療薬として使われることはなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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