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特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー リウマチ
関節リウマチ
著者: 上野征夫1
所属機関: 1洛和会音羽病院リウマチ科
ページ範囲:P.122 - P.126
文献購入ページに移動関節リウマチ(RA)は,全身の大小関節に対称性に炎症が出現しこれが持続する疾患である.一体この疾患が人類史上いつ頃から現れるようになったかは,一種の謎とされている.まぎれもなくRAという最初の臨床症状の記載は,1800年,フランスのLandré-Beauvaisによるものとされている.英国のAlfred Garrodが,それまでリウマチ性痛風と呼ばれていたもの,あるいはリウマチ熱とこれを区別して,rheumatoid arthritisという名称を提唱したのが1859年のことである.
このようにRAが提唱されてからの歴史は比較的新しい.しかし,RAの治療がそれまでどのようなものであったか,探るのは難しい.古代ギリシャにおいてヒポクラテスは,鎮痛と解熱に柳の樹皮や葉を用いたと言われている.この伝統医療は,次に述べるアスピリン治療と決して無縁ではない.
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