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文献概要
特集 進化し続ける内科診療―世界が認めたブレイクスルー 診断学
内科診断学
著者: 野口善令1
所属機関: 1名古屋第二赤十字病院総合内科
ページ範囲:P.140 - P.144
文献購入ページに移動診断とは何か
詰きつめて考えれば診断とは患者が呈している現象(病気)に名前(病名)をつけることである.現象を区分して整理し体系づける営為で,いわば,一種の分類といえる.
診断学が分類学と異なるところは,分類学が実在する「もの」に名前をつけるのに対して,診断学の対象となる病名は必ずしも「もの」ではないという点にある.病名のなかには,どうみても「もの」ではなく医師の頭のなかにしかない概念に近いものもある.
詰きつめて考えれば診断とは患者が呈している現象(病気)に名前(病名)をつけることである.現象を区分して整理し体系づける営為で,いわば,一種の分類といえる.
診断学が分類学と異なるところは,分類学が実在する「もの」に名前をつけるのに対して,診断学の対象となる病名は必ずしも「もの」ではないという点にある.病名のなかには,どうみても「もの」ではなく医師の頭のなかにしかない概念に近いものもある.
参考文献
1)梶田 昭:医学の歴史,講談社学術文庫,2003
2)池田清彦:構造主義科学論の冒険,講談社学術文庫,1998
3)Feinstein, AR:Clinical Epidemiology;The Architecture of Clinical Research, WB Saunders, 1985
4)D.ギリース(著),中山智香子(訳):確率の哲学理論,日本経済評論社,2004
5)一ノ瀬正樹:功利主義と分析哲学―経験論哲学入門,放送大学教育振興会,2010
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