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文献概要
特集 内分泌疾患に強くなる 内分泌疾患の発見のきっかけとなる異常所見
副腎偶発腫瘍
著者: 一城貴政1
所属機関: 1済生会横浜市東部病院糖尿病・内分泌内科
ページ範囲:P.1754 - P.1759
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◎副腎偶発腫瘍は悪性の可能性,ホルモン過剰産生性の有無で手術の適応を決定する.
◎副腎癌は生検でも術前診断が困難であり,疑った場合は積極的に外科的治療を検討する.
◎最も頻度が高いのはホルモン非産生腺腫で,副腎偶発腫瘍全体の過半数を占める.
◎内分泌学的スクリーニング検査としては,血清・尿中Kとともに,ACTH,コルチゾール,PRA,アルドステロン,蓄尿中メタネフリン2分画,血清DHEA-Sを測定する.
◎いったんホルモン非産生腺腫と診断しても,その後ホルモン産生性が顕在化したり,副腎癌で腫瘍の急速な増大をきたすことがあるため,一定の経過観察が必要である.
◎副腎偶発腫瘍は悪性の可能性,ホルモン過剰産生性の有無で手術の適応を決定する.
◎副腎癌は生検でも術前診断が困難であり,疑った場合は積極的に外科的治療を検討する.
◎最も頻度が高いのはホルモン非産生腺腫で,副腎偶発腫瘍全体の過半数を占める.
◎内分泌学的スクリーニング検査としては,血清・尿中Kとともに,ACTH,コルチゾール,PRA,アルドステロン,蓄尿中メタネフリン2分画,血清DHEA-Sを測定する.
◎いったんホルモン非産生腺腫と診断しても,その後ホルモン産生性が顕在化したり,副腎癌で腫瘍の急速な増大をきたすことがあるため,一定の経過観察が必要である.
参考文献
1)一城貴政,上芝 元:本邦における5年間の継続的副腎偶発腫疫学調査―最終報告.厚生労働省科学研究補助金特定疾患対策研究事業平成16年度報告書:121, 2005
2)Mansmann G, et al:The clinically inapparent adrenal mass;Update in diagnosis and management. Endocr Rev 25:309-340, 2004
3)Young WF Jr:Clinical practice. The incidentally discovered adrenal mass. N Engl J Med 356:601-610, 2007
4)Nishikawa T, et al:Guidelines for the diagnosis and treatment of primary aldosteronism;The Japan Endocrine Society 2009. Endocr J 58:711-721, 2011
5)Kopetschke R, et al:Frequent incidental discovery of phaeochromocytoma;Data from a German cohort of 201 phaeochromocytoma. Eur J Endocrinol 161:355-361, 2009
6)Hiroi N, et al:Prevalence of adrenal masses in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus.Diabetol Metab Syndr 2:71, 2010
7)NIH state-of-the-science statement on management of the clinically inapparent adrenal mass(“incidentaloma”). NIH Consens State Sci Statements 19:1-25, 2002
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