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文献概要
特集 内科診療にガイドラインを生かす 循環器疾患
大動脈瘤・大動脈解離
著者: 村井亮介1 加地修一郎1
所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院循環器内科
ページ範囲:P.60 - P.65
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大動脈瘤と大動脈解離の診断・治療の関する国内外のガイドラインとしては,日本,米国から学会を中心としたガイドラインが発行されている.国内では,日本循環器学会が主導して関連学会の合同研究班がガイドラインを作成しており,2006年に大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)が発行されている.本ガイドラインは,これまでの大動脈解離診療ガイドラインに大動脈瘤の範囲も加えられ,わが国の大動脈疾患診療の標準的な診療ガイドラインと位置付けられている1).一方,米国では,2010年に米国心臓病学会(ACC),米国心臓病協会(AHA),米国胸部外科学会(STS)などの関連学会が参加した合同委員会が胸部大動脈疾患ガイドライン2)を発行している.
日本循環器学会の2006年改訂版ガイドラインは,2011年に一部改訂され,ステントグラフトなど治療法についての推奨やこれまで混乱していた病態や定義に関しての見解が示されている.本稿では,本ガイドラインにおける,疾患概念の定義や治療方針などの注目すべきポイントを中心に概説する.
大動脈瘤と大動脈解離の診断・治療の関する国内外のガイドラインとしては,日本,米国から学会を中心としたガイドラインが発行されている.国内では,日本循環器学会が主導して関連学会の合同研究班がガイドラインを作成しており,2006年に大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2006年改訂版)が発行されている.本ガイドラインは,これまでの大動脈解離診療ガイドラインに大動脈瘤の範囲も加えられ,わが国の大動脈疾患診療の標準的な診療ガイドラインと位置付けられている1).一方,米国では,2010年に米国心臓病学会(ACC),米国心臓病協会(AHA),米国胸部外科学会(STS)などの関連学会が参加した合同委員会が胸部大動脈疾患ガイドライン2)を発行している.
日本循環器学会の2006年改訂版ガイドラインは,2011年に一部改訂され,ステントグラフトなど治療法についての推奨やこれまで混乱していた病態や定義に関しての見解が示されている.本稿では,本ガイドラインにおける,疾患概念の定義や治療方針などの注目すべきポイントを中心に概説する.
参考文献
1)循環器病の診断と治療に関するガイドライン.大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂版),2011 http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_takamoto_h.pdf (2013年8月閲覧)
2)Hiratzka LF, et al:Guidelines for the diagnosis and management of patients with thoracic aortic disease;A report of the american college of cardiology foundation/american heart association task force on practice guidelines, american association for thoracic surgery, american college of radiology, american stroke association, society of cardiovascular anesthesiologists, society for cardiovascular angiography and interventions, society of interventional radiology, society of thoracic surgeons, and society for vascular medicine. Circulation 121:e266-369, 2010
3)加地修一郎:急性大動脈解離の内科治療および合併症とその対応―内科の役割.最新医学66:1603-1609, 2011
4)加地修一郎:偽腔閉塞型大動脈解離とULP, PAUの診断,山口 徹,他(編):Annual Review循環器2012, pp 247-253,中外医学社,2012
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