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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻11号

2013年11月発行

文献概要

特集 内科診療にガイドラインを生かす 消化器疾患

胃食道逆流症

著者: 神谷武1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学

ページ範囲:P.160 - P.164

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内科診療に役立つ国内外のガイドライン

 胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,2006年にモントリオール基準1)として世界的コンセンサスの再構築が行われ,“胃内容物の食道内への逆流によって起こる煩わしい症状あるいは合併症を起こした状態”と定義された.これを受け日本でも2009年に日本消化器病学会による「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」2)が発行された.このガイドラインは,胃食道逆流症が日常臨床において一般的な疾患であることから,消化器専門医のみならず一般医家,プライマリケア医も対象に作成されている.また胃食道逆流症は肥満,高脂肪食など生活習慣との関連が指摘され,欧米と日本の食生活の違いが病態に関与すると考えられることより,日本人を対象としたエビデンスも重要視されている.ガイドラインは治療フローチャート(図1)と,疫学,病態,診断,内科的治療に加え外科的治療,上部消化管術後食道炎,食道外症状の章から構成され,各ステートメントには推奨グレードと,海外と日本のエビデンスレベルがそれぞれ独立して併記されている.

 一方諸外国でもいくつかのガイドラインが公表,改訂されており,米国をみても米国消化器病学会(American Gastroenterology Association:AGA),米国消化器病医会(American Collage of Gastroenterology:ACG),米国消化器内視鏡学会(The American Society of Gastrointestinal Endoscopy)の消化器系主要3学会に加え,米国内科医会(American Collage of Physician:ACP)の4学会がそれぞれガイドラインを発行している.ここでは日本のガイドラインと,2013年に改訂され,米国の4ガイドラインのなかで最も新しいACGのガイドライン3)の概要を表1に示す.

参考文献

1)Vakil N, et al:The Montreaal definition and classification of gastroesophageal reflux disease;A global evidence-based consensus. Am J Gastroenterol 101:1900-1920, 2006
2)日本消化器病学会(編):胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン,南江堂,2009
3)Katz PO, et al:Guideline for the diagnosis and management of gastroesophageal reflux disease. Am J Gastroenterol 108:308-328, 2013
4)Kinoshita Y, et al:The impact of lifestyle modification on the health-related quality of life of patients with reflux esophagitis receiving treatment with a proton pump inhibitor. Am J Gasteoenterol 104:1106-1111, 2009
5)Calmiche JP, et al:Functional esophageal disorders. Gastroenterology 101:1459-1465, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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