文献詳細
文献概要
特集 内科診療にガイドラインを生かす 腎・泌尿器疾患
慢性腎臓病(CKD)
著者: 今井圓裕1
所属機関: 1中山寺いまいクリニック
ページ範囲:P.238 - P.244
文献購入ページに移動内科診療に役立つ国内外のガイドライン(表1)
2002年に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を早期に発見し,透析患者を減らし,心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の発症を抑制することを目的として,米国腎臓財団の学術部門であるKidney Disease Outcomes Quality Initiatives(KDOQI)により,CKDの診断と治療に関するガイドラインが作成された.このガイドラインによりCKDという概念が確立し,その簡潔さとわかりやすさから,現在,世界各国でCKD対策に使用されている.
わが国においては,2007年に日本腎臓学会からCKD診療ガイドが出版された.これは,CKDという概念を日本に広めるために作成されたものである.記載は「ステートメント」を先に記載し,その根拠や説明を記載する方法を取っている.当時は日本人のための糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)推算式が完成する前であり,残念ながら不完全な内容であった.2009年に発行されたCKD診療ガイドには約800名の日本人のCKD患者のイヌリンクリアランスのデータより作成した日本人のGFR推算式が記載され,わが国のCKD診療に対応できるものとなった.
2002年に慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)を早期に発見し,透析患者を減らし,心血管疾患(cardiovascular disease:CVD)の発症を抑制することを目的として,米国腎臓財団の学術部門であるKidney Disease Outcomes Quality Initiatives(KDOQI)により,CKDの診断と治療に関するガイドラインが作成された.このガイドラインによりCKDという概念が確立し,その簡潔さとわかりやすさから,現在,世界各国でCKD対策に使用されている.
わが国においては,2007年に日本腎臓学会からCKD診療ガイドが出版された.これは,CKDという概念を日本に広めるために作成されたものである.記載は「ステートメント」を先に記載し,その根拠や説明を記載する方法を取っている.当時は日本人のための糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)推算式が完成する前であり,残念ながら不完全な内容であった.2009年に発行されたCKD診療ガイドには約800名の日本人のCKD患者のイヌリンクリアランスのデータより作成した日本人のGFR推算式が記載され,わが国のCKD診療に対応できるものとなった.
参考文献
1)Levey AS, et al:The definition, classification, and prognosis of chronic kidney disease;A KDIGO Controversies Conference report. Kidney Int 80:17-28, 2011
2)Nakayama M, et al:Increased risk of cardiovascular events and mortality among non-diabetic chronic kidney disease patients with hypertensive nephropathy;The Gonryo study. Hypertens Res 34:1106-1110, 2011
3)Horio M, et al:GFR Estimation Using Standardized Serum Cystatin C in Japan. Am J Kidney Dis 61:197-203, 2012
4)Matsuo S, et al:Revised equations for estimating glomerular filtration rate(GFR)from serum creatinine in Japan. Am J Kidney Dis 53:982-992, 2009
掲載誌情報