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特集 内科診療にガイドラインを生かす 血液疾患
播種性血管内凝固(DIC)
著者: 和田英夫123 松本剛史23
所属機関: 1三重大学医学系研究科検査医学 2三重大学医学系研究科血栓・止血異常症診療センター 3三重大学医学系研究科輸血部
ページ範囲:P.304 - P.308
文献購入ページに移動播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)1)の診断ならびに治療に関するガイドラインは,英国,日本,イタリア,欧州/北米/アジアから,学会を中心に作成されたガイドラインが発行されている.すなわち,英国血液標準化委員会(the British Committee for Standards in Haematology:BCST),日本血栓止血学会(the Japanese Society of Thrombosis and Hemostasis:JSTH)ならびにイタリア血栓止血学会(the Italian Society for Thrombosis and Haemostasis:SISET)が,それぞれのDIC診療ガイドラインを作製して,2009~2011年の間に公表 2~4)した.しかし,これらのガイドラインの推奨や推奨度に差があり,臨床家の間ではどのガイドラインが正しいのか,少なからず混乱が生じた.そこで,国際血栓止血学会(International Society of Thrombosis Haemostasis:ISTH)のなかの科学的標準化委員会(Scientific Standardization Committee:SSC)のDIC部会で,BCST,JSTH,SISETの主要メンバーが集まり,2011~2013年にかけてDICの診療ガイドラインのハーモナイゼーションが行われ,2013年にISTHのDIC診療ガイダンスとして公表された5)(表1).いずれのガイドラインも,DICの診断ならびに治療における推奨度とエビデンスレベルが記載されていて,実際に使用するときの判断材料となり有用である.
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