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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻11号

2013年11月発行

文献概要

特集 内科診療にガイドラインを生かす リウマチ・膠原病

全身性強皮症

著者: 竹原和彦1

所属機関: 1金沢大学附属病院皮膚科

ページ範囲:P.370 - P.373

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内科診療に役立つ国内外のガイドライン

 全身性強皮症に関する国内外のガイドラインとしては,まず日本で2004年に厚生労働省強皮症調査研究班(竹原班)より「強皮症における診断基準・重症度分類・治療指針」が策定され1),2007年に一部が改訂された.その後,2010年には,同じく厚生労働省強皮症調査研究班(佐藤班)により,EBMに基づいた新たな「全身性強皮症診療ガイドライン」が作成された.この診療ガイドラインは,そのまま日本皮膚科学会の診療ガイドラインとして承認され,日本皮膚科学会雑誌にも掲載されている2).このガイドラインは主として治療の流れを示す「診療アルゴリズム」と,診療上の具体的な問題事項であるclinical question(CQ)に対する回答・解説を記載した「診療ガイドライン」から構成されている.各CQに対する回答・解説は「推奨文」と「推奨度」の後に詳しい「解説」が付けられている.

 欧州ではヨーロッパリウマチ学会(European League Against Rheumatism)の下部組織であるEUSTAR(European Scleroderma Trials and Research Group)が2009年に全身性強皮症の治療に関するrecommendation(推奨)を公表した3,4).なお,作成には18人のエキスパート,2人の患者,3人の文献検索担当者で構成される委員会作成が当たり,日本からは筆者が唯一の皮膚科医,あるいは欧米以外のエキスパートとして参加した.当初,仮の質問がEUSTARの74施設に送られたが,最終的に文献的エビデンスやエキスパートからの意見に基づいて14の推奨事項が発表された.

参考文献

1)重症度分類・治療指針試案.厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 強皮症における病院解明と根治的治療法の開発 平成16年度(総括・分担研究報告書/主任研究者 竹原和彦),pp 328-356, 2005
2)佐藤伸一,他:全身性強皮症診療ガイドライン.日皮会誌122:1293-1345, 2012
3)Kowal-Bielecka O, et al:EULAR recommendations for the treatment of systemic sclerosis;A report from the EULAR Scleroderma Trials and Research group(EUSTAR). Ann Rheum Dis 68:620-628, 2009
4)Avouac J, et al:European League Against Rheumatism(EULAR)Scleroderma Trial and Research group(EUSTAR)recommendations for the treatment of systemic sclerosis:methods of elaboration and results of systematic literature research. Ann Rheum Dis 68:629-634, 2009
5)LeRoy EC, et al:Scleroderma(systemic sclerosis):classification, subsets and pathogenesis. J Rheumatol 15:202-204, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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