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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻11号

2013年11月発行

文献概要

特集 内科診療にガイドラインを生かす 感染症

MRSA感染症

著者: 椎木創一1

所属機関: 1沖縄県立中部病院感染症内科

ページ範囲:P.452 - P.456

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内科診療に役立つ国内外のガイドライン

 MRSAに関連する国内外のガイドラインには,MRSA感染症の診療を中心にしたものと感染対策を軸にした2種類が存在する.本稿ではMRSA感染症の診断と治療を示したガイドラインを抽出した.また,インターネットで簡便に入手可能でアップデートされているものとして,米国,日本,そしてEUからは英国のものを選択した.

 この3カ国の院内で検出される黄色ブドウ球菌には,MRSAがある程度の頻度で発生している.こうした疫学的背景がある程度近いかどうかが,感染症診療に関連したガイドラインを読み解く場合に重要となる.ヨーロッパでもMRSAの頻度が極端に低い地域では,感染対策も含めてガイドラインの姿勢が異なってくる.しかし,地域によって疫学データの収集方法が異なっているため,比較するのは容易ではない.院内で検出されるMRSAについて,各地域での状況をいくつかの疫学データを集めて大まかに表1にまとめた.一口にEUと言っても国ごとの違いは著しく,まとめて論ずるのは適切ではない.とはいえ報告をみるとHAIで検出される黄色ブドウ球菌に占めるMRSAの割合が日本はEU全体よりも高く,米国はその中間と言える.

参考文献

1)Sievert DM, et al:Antimicrobial-resistant pathogens associated with healthcare-associated infections:Summary of data reported to the National Healthcare Safety Network at the Centers for Disease Control and Prevention, 2009-2010. Infect Control Hosp Epidemiol 34:1-14, 2013
2)JANIS(Japan Nosocomial Infections Surveillance)公開情報2011年1月~12月年報,院内感染対策サーベイランス集中治療室部門
3)ECDC Surveillance Report:Surveillance of healthcare-associated infections in Europe 2007, European Centre for Disease Prevention and Control
4)MRSA感染症の治療ガイドライン作成委員会(編):MRSA感染症の治療ガイドライン,2013
5)Moran GJ, et al:Methicillin-resistant S. aureus infections among patients in the emergency department. N Engl J Med 355:666-674, 2006
infections in adults and children. Clin Infect Dis 1-38, 2011
7)Gould FK, et al:Guidelines(2008)for the prophylaxis and treatment of methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)infections in the United Kingdom. J Antimicro Chemo 63:849-861, 2009
8)Gordts B, et al:National guidelines for the judicious use of glycopeptides in Belgium. Clin Microbiol Infect 6:585-592, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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