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文献概要
特集 内科診療にガイドラインを生かす 緩和ケア
苦痛緩和のための鎮静
著者: 森田達也1
所属機関: 1聖隷三方原病院緩和支持治療科
ページ範囲:P.527 - P.531
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苦痛緩和のための鎮静(palliative sedation therapy)は,1990年代前半から導入された概念である.ほかの手段で十分に緩和されない苦痛に対して,睡眠薬や麻酔薬の全身投与によって患者の意識を低下させることによって苦痛緩和を得る手段を指す.概念の導入前後では,安楽死(euthanasia)との医学的,倫理的,法的異同について国際的に大きな議論となったが,2000年からは各国で蓄積された実証研究にもとづくガイドラインが整備された.現在,緩和治療の1つのオプションとして位置づけるものが多い.
複数のガイドラインが提示されている(表1)1~5).いずれも推奨度は設定されておらず,用語や概念の定義,frameworkを明確化するように記載されている.
苦痛緩和のための鎮静(palliative sedation therapy)は,1990年代前半から導入された概念である.ほかの手段で十分に緩和されない苦痛に対して,睡眠薬や麻酔薬の全身投与によって患者の意識を低下させることによって苦痛緩和を得る手段を指す.概念の導入前後では,安楽死(euthanasia)との医学的,倫理的,法的異同について国際的に大きな議論となったが,2000年からは各国で蓄積された実証研究にもとづくガイドラインが整備された.現在,緩和治療の1つのオプションとして位置づけるものが多い.
複数のガイドラインが提示されている(表1)1~5).いずれも推奨度は設定されておらず,用語や概念の定義,frameworkを明確化するように記載されている.
参考文献
1)日本緩和医療学会緩和医療ガイドライン作成委員会(編):苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン(2010年版),金原出版,2010
2)Morita T, et al:Development of a clinical guideline for palliative sedation therapy using the Delphi method. J Palliat Med 8:716-729, 2005
3)Verkerk M, et al:A national guideline for palliative sedation in the Netherlands. J Pain Symptom Manage 34:666-670, 2007
4)Cherny NI, Radbruch L;Board of the European Association for Palliative Care:European Association for Palliative Care(EAPC)recommended framework for the use of sedation in palliative care. Palliat Med 23:581-593, 2009
5)Kirk TW, Mahon MM;Palliative Sedation Task Force of the National Hospice and Palliative Care Organization Ethics Committee:National Hospice and Palliative Care Organization(NHPCO)position statement and commentary on the use of palliative sedation in imminently dying terminally ill patients. J Pain Symptom Manage 39:914-923, 2010
6)Morita T, et al:Family experience with palliative sedation therapy for terminally ill cancer patients. J Pain Symptom Manege 28:557-565, 2004
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