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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻12号

2013年11月発行

文献概要

連載 実は日本生まれの発見・11

スタチン

著者: 伊藤公美恵1 多田紀夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部

ページ範囲:P.1915 - P.1915

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 HMG-CoA(3-hydroxy-3-methylglutaryl-CoA)還元酵素阻害薬(スタチン)の開発により脂質異常症の薬物治療は革命的な進歩を遂げた.臨床現場において今や世界中でfirst choiceとして認められている薬である.

 生体内でのコレステロール生合成はアセチルCo-Aからいくつかの段階を経て行われており,その律速段階はHMG-CoAからメバロン酸へのHMG-CoA還元酵素による還元反応である.スタチンはこの酵素を阻害することによりコレステロールを低下させる薬である.世界で初めてこのタイプの薬の基礎となる物質を青カビ(penicillium citriunum)から発見したのが遠藤章博士(バイオファーム研究所所長)である.1960年代にはコレスチラミン,ニコチン酸誘導体,フィブラート系薬剤はすでに使用されていたが有効性・安全性の面からエビデンスが確保されたコレステロール低下薬はまだなかった.博士は当時,三共株式会社で研究を行い,1973年にML-236B(コンパクチン)を発見し,1976年に学術誌に発表した(FEBS Lett 72:323, 1976, J Antibit 29:1346, 1976).

参考文献

1)Takemoto M, et al:Pleiotropic effects of 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme a reductase inhibitors. Arterioscler Thromb Vasc Biol 21:1712-1719, 2001
2)Brown MS, Goldstein JL:Analysis of mutant strain of human fibroblasts with a defect in the internalization of receptor-bound low density lipoprotein. Cell 9:663-674, 1976
3)Meier CR, et al:HMG-CoA reductase inhibitors and the risk of fractures. JAMA 28:3205-3210:2000
4)Willey JZ, et al:3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzime a reductase inhibitors in the treatment of central nervous system diseases. ArchNeurol 67:1062-1067:2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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