文献詳細
連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・9
文献概要
症例1 奥田やよい(仮名)58歳女性 右利き
娘とともに受診.受診の3時間ほど前,友人と長電話をしていた.途中で言い合いになったようで,声が大きくなった.たまたま,訪問中の娘がそばにいったところ,電話で「なぜ電話をくれた」と同じ質問を繰り返すのが聞こえた.いつもとは違う様子に娘は電話を切らせて,患者に話しかけてみたところ,患者は「なんであなたがここにいるの」と質問してきた.娘は「お菓子を届けにきたんでしょう」と答えるも,いったん納得したが,すぐに同じ質問をしてくる状態が続いている.ボケの始まりかと相談にきた.
問診票の診察前の血圧138/85mmHg,脈拍78回/分 整,体温35.8℃
娘とともに受診.受診の3時間ほど前,友人と長電話をしていた.途中で言い合いになったようで,声が大きくなった.たまたま,訪問中の娘がそばにいったところ,電話で「なぜ電話をくれた」と同じ質問を繰り返すのが聞こえた.いつもとは違う様子に娘は電話を切らせて,患者に話しかけてみたところ,患者は「なんであなたがここにいるの」と質問してきた.娘は「お菓子を届けにきたんでしょう」と答えるも,いったん納得したが,すぐに同じ質問をしてくる状態が続いている.ボケの始まりかと相談にきた.
問診票の診察前の血圧138/85mmHg,脈拍78回/分 整,体温35.8℃
参考文献
1)林竜一郎:記憶障害(物忘れ,健忘),大生定義(編):すべての内科医が知っておきたい神経疾患の診かた,考え方とその対応,pp100-104,羊土社,2013
2)Bartsch T, Deuschl G:Transient global amnesia:functional anatomy and clinical implications. Lancet Neurol 9:205-214, 2010
3)大生定義:Editorial―痴呆患者と患者家族を前にしたとき.JIM 12:200-201, 2002
掲載誌情報