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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻13号

2013年12月発行

連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・9

記憶障害の2例

著者: 大生定義1

所属機関: 1立教大学

ページ範囲:P.2266 - P.2269

文献概要

症例1 奥田やよい(仮名)58歳女性 右利き

娘とともに受診.受診の3時間ほど前,友人と長電話をしていた.途中で言い合いになったようで,声が大きくなった.たまたま,訪問中の娘がそばにいったところ,電話で「なぜ電話をくれた」と同じ質問を繰り返すのが聞こえた.いつもとは違う様子に娘は電話を切らせて,患者に話しかけてみたところ,患者は「なんであなたがここにいるの」と質問してきた.娘は「お菓子を届けにきたんでしょう」と答えるも,いったん納得したが,すぐに同じ質問をしてくる状態が続いている.ボケの始まりかと相談にきた.

問診票の診察前の血圧138/85mmHg,脈拍78回/分 整,体温35.8℃

参考文献

1)林竜一郎:記憶障害(物忘れ,健忘),大生定義(編):すべての内科医が知っておきたい神経疾患の診かた,考え方とその対応,pp100-104,羊土社,2013
2)Bartsch T, Deuschl G:Transient global amnesia:functional anatomy and clinical implications. Lancet Neurol 9:205-214, 2010
3)大生定義:Editorial―痴呆患者と患者家族を前にしたとき.JIM 12:200-201, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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