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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻13号

2013年12月発行

文献概要

連載 皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・21

6年ぶりの脳梗塞

著者: 岡田正人1 衛藤光2

所属機関: 1聖路加国際病院アレルギー膠原病科(SLE,関節リウマチ,小児リウマチ) 2聖路加国際病院皮膚科

ページ範囲:P.2281 - P.2285

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後期研修医(アレルギー膠原病科) 今回は6年前に脳梗塞にて他院で入院中に抗核抗体1,280倍,抗ds-DNA 38IU/mL,リンパ球低下から,全身性エリテマトーデス(SLE)と診断され当科紹介となった45歳女性です.退院時にはアスピリンが処方されており,初診時に下腿にlivedo(皮斑)がありました.若年性脳梗塞であり抗リン脂質抗体症候群(APS)も疑われましたが,抗リン脂質抗体は検出されませんでした.血栓を疑わせるような皮膚所見がないかも含めて皮膚科にコンサルトさせていただきました.ちなみにMPO-ANCAも陽性でしたが,腎障害や血管炎を示唆する所見はありませんでした.

後期研修医(皮膚科) 初診時の臨床像(図1)ですが,頬部の紅斑と下肢の網状皮斑(livedo reticularis)を認めます.頬部の紅斑は境界不明で色調は淡いですが,鼻根部を中心に左右の頬部に分布しておりSLEに特徴的な蝶形紅斑を考えました.下肢の紅斑は外踝から外側縁にかけて分布しており,網の目が閉じた網状皮斑が主体でした.臨床像から末梢循環障害が示唆されましたが,血栓や血管障害など器質的変化が背景にある可能性も否定はできません.抗リン脂質抗体はループスアンチコアグラント,抗β 2 glycoprotein Ⅰ(GPI)依存性カルジオリピン抗体,抗カルジオリピン抗体すべて陰性だったのでしょうか.

参考文献

1)Murthy V, et al:Value of isolated IgA anti-β 2 GPI positivity in the diagnosis of the antiphospholipid syndrome. Arthritis Rheum doi:10.1002/art.38131, 2013
2)新井春枝:病理からみたエリテマトーデス.Monthly Book Derma 99:8-16, 2005
3)Hervier B, et al:Systemic lupus erythematosus associated with ANCA-associated vasculitis;An overlapping syndrome? Rheumatol Int 32:3285-3290, 2012
4)Calabrese LH, et al:Vasculitis in the central nervous system. Arthritis Rheum 40:1189-1201, 1997
5)Feinglass EJ, et al:Neuropsychiatric manifestations of systemic lupus erythematosus;Diagnosis, clinical spectrum, and relationship to other features of the disease. Medicine(Baltimore)55:323-339, 1976

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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