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書評
―Jane M. Orient 原著 須藤 博,藤田芳郎,徳田安春,岩田健太郎 監訳―サパイラ身体診察のアートとサイエンス―原書第4版
著者: 黒川清123
所属機関: 1政策研究大学院大 2日本医療政策機構 3東大
ページ範囲:P.2221 - P.2221
文献購入ページに移動現在の臨床の現場では,えてして「効率,コスト,検査」から始まり,ともすれば患者不在の「検査データに基づく現代風デジタル診療」と指摘される.そこから患者と医師の「信頼」関係が薄れ,医療事故や訴訟などへ発展するかもしれないと不安な,医学生,研修の現場への応援の書ともいえる.臨床は「アートとサイエンス」の神髄の伝統であり,その伝統を自分自身も継承してきた優れた先輩医師の気持ちだろう.これが良い伝統を次の世代へと受け渡す「好循環」の基本なのだ.このあたりが,このサパイラ本の面目躍如というか,ほかの臨床診断学の教科書と違っているところだ.
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