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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻3号

2013年03月発行

文献概要

連載 実は日本生まれの発見・3

IgG4関連疾患―21世紀に(日本で)確立された新たな疾患概念

著者: 梅原久範1

所属機関: 1金沢医科大学血液免疫内科学講座

ページ範囲:P.365 - P.365

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 IgG4関連疾患(IgG4-related disease:IgG4-RD)は,21世紀に日本で生まれた新たな疾患概念で,血清IgG4高値と病変部への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする.その発見の端緒は,2001年にHamanoらが硬化性胆管炎(自己免疫性膵炎)における血清IgG4高値とIgG4陽性形質細胞浸潤をN Engl J Medに報告したことに始まる.その後,同様の特徴がMikulicz病,Reidel甲状腺炎,Küttner腫瘍,後腹膜線維症,炎症性偽腫瘍と呼ばれていた疾患群や,間質性腎炎,間質性肺炎などの一部にも認められた.

 その後,厚生労働省難治性疾患克服研究事業IgG4関連疾患研究梅原班(班長:金沢医科大学血液免疫内科 梅原久範,班員66名)と岡崎班(班長:関西医科大学第3内科 岡崎和一,班員55名)の2班合同による詳細な解析によりIgG4関連疾患としての概念が確立した1,2)

参考文献

1)Umehara H, et al:A novel clinical entity, IgG4-related disease(IgG4RD):general concept and details. Modern rheumatology/the Japan Rheumatism Association 22:1-14, 2011
2)梅原久範,岡崎和一,千葉勉:温故知新「IgG4関連疾患」―その概念と診断基準―.日本内科学会誌101:2973-2981,2012
3)Umehara H, et al:Comprehensive Diagnostic Criteria for IgG4-related disease(IgG4-RD),2011. Mod Rheumatol. 22:21-30, 2011
4)厚生労働省難治性疾患対策事業奨励研究分野:「IgG4関連疾患包括診断基準2011」.日本内科学会誌101:795-803, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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