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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻4号

2013年04月発行

文献概要

特集 エマージェンシーの予兆を察知する―リスクを評価し危機に備える バイタルサインから緊急性を読みとる

喘ぎ呼吸―心肺停止の前兆

著者: 入江聰五郎1

所属機関: 1浦添総合病院総合診療科

ページ範囲:P.592 - P.595

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ポイント

◎呼吸の異常を認めたら回数を確認し,一過性でも徐呼吸と判断したなら「一過性徐呼吸の5病態」を呼吸パターンから鑑別しよう.

◎一過性徐呼吸の5病態は,“ABC2S”で記憶しよう.

◎喘ぎ呼吸(agonal gasp)なら積極的な蘇生治療を開始するが,AEDではなく,手動操作の除細動器を準備しよう.

◎注意:くも膜下出血でも喘ぎ呼吸を認める症例が数多く報告されている.この場合,脈拍を触知できたり,体動がある場合が多い.あくまで喘ぎ呼吸は脳幹損傷の所見であり,全身循環動態が保たれていないと判断したときは心肺蘇生を積極的に行う.

参考文献

1)鈴木 昌:救急蘇生ガイドライン―課題と展望:死線期呼吸.救急医学31:997-1000,2007の一部を要約.喘ぎ呼吸についてのReview
2)http://www.youtube.com/watch?v=M99bRjmsC7E 日本医療教授システム学会国際トレーニングセンターが提供する,死戦期呼吸のデモンストレーション・ムービー.必見です.
3)Bianchi W, et al:Revitalizing a vital sign;Improving detection of tachypnea at primary triage. Ann Emerg Med, 2012, Epub ahead of print  ジョンスホプキンス大学の救急外来トリアージナースを対象に行われた頻呼吸をどれだけ正確に認識できているか,という論文.笑いたくなるが,笑えない内容.
4)入江聰五郎:バイタルサインからの臨床診断,pp35-36,羊土社,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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