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特集 エマージェンシーの予兆を察知する―リスクを評価し危機に備える リスクの組み合わせから隠れた危険を察知する
リスクの高い心疾患と不整脈の組み合わせ
著者: 猪原拓1 香坂俊23
所属機関: 1慶應義塾大学医療科学系大学院「循環器プロ」コース 2慶應義塾大学内科 3第一三共心血管炎症学寄附講座
ページ範囲:P.654 - P.657
文献購入ページに移動◎肥大型心筋症など重症心筋症に心房細動(AF)が合併した場合は通常のAFのケースと異なり,心臓の予備能が低いため血行動態の破綻を招きやすく,心室細動や突然死の誘因にもなり得る.
◎僧帽弁疾患や大動脈弁疾患においてAFの発症は病状の進行を反映しており,手術適応の目安となる.特に心室を介してワンポイント心房と離れた大動脈弁狭窄症のケースではAFの背景が心不全にあるのか,それとも自発的なものか,注意を払う必要がある.
◎一方で,より致死的な心室細動などの心室性不整脈のリスクを予想することは,より一般的な冠動脈疾患や重症心不全において重要である.
◎現在,最も信頼されるリスク因子は左室駆出能の低下か心不全症状の存在であり,状況に応じて植え込み型除細動器などを考慮する必要がある.
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