文献詳細
特集 胃食道逆流症(GERD)―“胸やけ”を診療する
疫学と病態
胃食道逆流と食道知覚過敏の機序
著者: 岩切勝彦12 川見典之2 坂本長逸2
所属機関: 1日本医科大学千葉北総病院消化器内科 2日本医科大学消化器内科学
ページ範囲:P.777 - P.780
文献概要
◎胃酸逆流の多くは,嚥下とは関係なく下部食道括約筋(LES)が突然弛緩し発生する.この現象は一過性LES弛緩と呼ばれ,「おくび」のメカニズムでもある.
◎低LES圧時に発生する胃酸逆流は稀であり,健常者や軽症逆流性食道炎ではほとんどみられない.
◎胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)患者では扁平上皮層の細胞間隙が拡大し,知覚神経が刺激されやすい状態にある.
◎酸の侵害受容体はTRPV1であるが,GERD患者ではTRPV1の発現増加が報告され,知覚過敏状態にある.
参考文献
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