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連載 実は日本生まれの発見・5
タクロリムス日本で生まれた免疫抑制剤
著者: 横川直人1
所属機関: 1都立多摩総合医療センターリウマチ膠原病科
ページ範囲:P.753 - P.753
文献購入ページに移動 土壌1グラムのなかに100万の細菌と10万の放線菌と1万のカビが生存している.1928年にA. Flemingが青カビからペニシリンを発見して以来,土壌微生物の産物から約1万の多様な化学構造の化合物が発見された.そのなかで,ヒトの治療薬として誕生したのは一部にすぎないが,ストレプトマイシンを始め,人類史上に残る発見が含まれる.
1972年にJ. F. Borelが真菌Tolypocladium inflatum の代謝産物であるシクロスポリンに強力な免疫抑制作用があることを発見した.その後,シクロスポリンは米国での臨床試験で有効性が証明された後,腎・肝移植での拒絶反応抑制剤として1980年代より世界中で上市されたが,腎毒性などの副作用が問題であった.
1972年にJ. F. Borelが真菌
参考文献
カプセル0.5 mg・1 mg・5 mgプログラフ顆粒0.2 mg・1 mg.2012年6月(改訂第30版)
注射液2 mg・5 mg.2012年6月(改訂第28版)
奥原正國:免疫抑制剤FK506の発見.現代化学307:22-28, 1996
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