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雑誌目次

雑誌文献

medicina50巻8号

2013年08月発行

雑誌目次

『medicina』50周年を迎えるにあたり

ページ範囲:P.1319 - P.1319

特集 今日から役立つ高血圧診療のノウハウ

著者: 土橋卓也

ページ範囲:P.1321 - P.1321

 高血圧は日本に4,000万人以上いると推定されている最も多い生活習慣病である.日本人の高血圧は昔の「痩せ型高血圧」から現代では「メタボ型高血圧」に変化してきた.すなわち,肥満,糖尿病,脂質異常症,高尿酸血症など代謝異常を合併する高血圧患者が増加し,高血圧治療の本来の目的である心血管病の予防のためには高血圧以外のリスクも含めたTotal risk managementが要求される時代となった.さらに高齢化社会を迎えたわが国において,高齢者高血圧は日々の診療で遭遇する疾患と言える.

 われわれは高血圧内科として高血圧の専門診療を提供しているが,患者の58%は65歳以上であり,25%は75歳以上,13%は80歳以上と後期高齢者,超高齢者も少なくない.高齢者は整形外科的疾患など他疾患を合併する頻度が高く,複数の医療機関に通院している者も多い.必然的に内科以外の医師が高血圧の治療を提供していることも少なくない.したがって,高血圧や循環器を専門とする医師はもとより,プライマリ・ケアに従事する医師,かかりつけ医としての役割を有する医師,さらに検診など予防医学に携わる医師にとっても,標準的診療手順を理解しておくことが求められる.

特集の理解を深めるための26題

ページ範囲:P.1469 - P.1472

座談会

改訂ガイドラインへの期待

著者: 土橋卓也 ,   川﨑純也 ,   楽木宏実 ,   苅尾七臣

ページ範囲:P.1322 - P.1332

土橋(司会) 本日はお忙しいなかをお集まりいただき,ありがとうございます.

 ご承知のように,高血圧治療のガイドラインは2000年に最初のJSH2000ができまして,その後,2004年,2009年と改訂を重ねてきました.現在JSH2014を作成すべく,改訂作業が進められているところです.

高血圧の現状を知る

わが国における高血圧の現状

著者: 永井雅人 ,   大久保孝義 ,   三浦克之

ページ範囲:P.1334 - P.1337

ポイント

◎国民の血圧水準は1960年代以降年々低下しているが,ここ10年は下げ止まり傾向にある.

◎高血圧の有病率は年々低下しているが,推計患者数は増加しており,現在4,300万人と推定される.

◎50~70歳代の高血圧の治療率は年々増加しているが,最も高い70歳代では70%弱である.

◎50~70歳代の高血圧の管理率は上昇しているが,降圧薬服用者の半数以上が管理不十分である.

◎高血圧対策には減塩・肥満予防・運動が有効であるが,いずれも健康日本21の目標に達していない.

高血圧と合併リスクの変遷

著者: 二宮利治

ページ範囲:P.1338 - P.1341

ポイント

◎わが国における血圧レベルは,降圧療法の普及により着実に低下した.

◎生活習慣の欧米化に伴い,代謝性疾患が大幅に増加した.

◎わが国の脳卒中の発症率は,血圧レベルの低下に伴い時代とともに低下した.

◎心血管病を予防するうえで,徹底した高血圧対策とともに,代謝性疾患の是正が重要である.

降圧治療の現状

著者: 神保りか ,   下澤達雄

ページ範囲:P.1342 - P.1345

ポイント

◎わが国では高血圧治療ガイドライン2009(JSH2009)が広く用いられている.

◎脳血管障害,心疾患,慢性腎臓病,メタボリックシンドロームなどの臓器障害や他疾患を合併する症例の血圧管理が重要である.

◎配合剤,レニン阻害薬,腎交感神経アブレーションなど新規の治療が登場している.

◎降圧目標達成率は十分とは言えず,今後もさらなる努力が必要である.

実地診療で評価すべき血圧,臓器障害の指標

24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の適応と評価法

著者: 佐藤倫広 ,   大久保孝義

ページ範囲:P.1347 - P.1350

ポイント

◎診察室血圧・家庭血圧の著しい変動や,診察室血圧・健診時血圧・家庭血圧に格差がある場合には,24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を実施することが望ましい.

◎ABPMの実施により,仮面高血圧,白衣高血圧,non-dipping(夜間高血圧の一型)やモーニングサージ(早朝高血圧の一型)など多種多様な血圧情報が得られる.

◎24時間にわたる厳格な降圧を実現できているかの評価指標となる.

家庭血圧

著者: 江口和男

ページ範囲:P.1351 - P.1354

ポイント

◎家庭血圧での高血圧は135/85mmHg以上である.

◎家庭血圧は朝夕2機会測定し,1日目を除く6日分の平均血圧で高血圧かどうかを診断する.

◎家庭血圧は1機会に3回測ったほうがよいが,難しい場合は朝1回でもよい.

◎家庭血圧の日間変動の臨床的意義は確立されていない.

◎家庭血圧で診断した仮面高血圧は心血管予後が不良である.

中心血圧測定方法

著者: 冨山博史

ページ範囲:P.1356 - P.1359

ポイント

◎動脈内血圧は中枢と末梢で異なり,大動脈圧(中心血圧)は臓器障害や心血管疾患発症の予測指標として注目されている.

◎橈骨動脈の圧脈波形解析から非侵襲的に中心動脈圧を推定することが可能となり,その方法として伝達関数を使用する方法,橈骨動脈波形第2ピークを使用する方法がある.

◎従来,中心血圧は直接カテーテルにて測定されていた指標であるが,一般的に非侵襲的中心血圧測定は,間接的に測定された上腕動脈血圧にて較正される.間接測定の血圧は直接測定の血圧より低値を示し,中心血圧レベル評価には注意が必要である.

◎カルシウム拮抗薬,レニン-アンジオテンシン系阻害薬といった血管拡張性の降圧薬は中心血圧降下作用が大きいとされる.

高血圧性臓器障害のバイオマーカー

著者: 檜垣實男 ,   大蔵隆文

ページ範囲:P.1361 - P.1365

ポイント

◎バイオマーカーは疾患の病状を把握するのにきわめて有用な指標である.

◎N-terminal(NT)-proBNPおよびcardiac troponin Tは高血圧性心肥大と関連し,死亡の予後予測因子でもある.

◎高血圧性腎障害の指標として,アルブミン尿およびシスタチンCが有用である.

◎最近マイクロRNAが,高血圧の発症,臓器障害の進展に関与していることが明らかとなっている.

二次性高血圧をどうスクリーニングするか?

原発性アルドステロン症の診断と治療―診療ガイドラインと注意点

著者: 成瀬光栄 ,   難波多挙 ,   立木美香

ページ範囲:P.1367 - P.1370

ポイント

◎原発性アルドステロン症は高血圧における頻度が高く,治癒可能な高血圧の代表疾患である.

◎診断の遅れは治療抵抗性の原因となり,重要な標的臓器障害を合併することから,適切な診断と治療が必要である.

◎診療ガイドラインに準拠して,アルドステロンとレニン比(ARR)でスクリーニング後,機能確認検査,CTおよび副腎静脈サンプリングによる病型・局在診断で診断する.

◎一側性では副腎摘出術,両側性ではアルドステロン拮抗薬などの薬物治療を行う.

腎血管性高血圧

著者: 小井手裕一 ,   梅村敏

ページ範囲:P.1371 - P.1374

ポイント

◎腎血管性高血圧は比較的頻度の高い疾患であり,「血圧コントロールに4剤以上の降圧薬を要する例や,治療抵抗性高血圧」「多臓器での動脈硬化症の存在」などをきっかけとして疑い,スクリーニングを検討すべきである.

◎腎動脈ドプラ超音波,CT血管造影(CTA),磁気共鳴血管造影(MRA)などの画像診断が推奨される.

◎高齢者や腎機能障害を認める症例も多いため,造影の検査は指針などを参考に適応を慎重に判断する.

薬剤誘発性高血圧

著者: 松浦秀夫

ページ範囲:P.1376 - P.1379

ポイント

◎非ステロイド性抗炎症薬は血圧を上昇させ,利尿薬,β遮断薬,ACE阻害薬,ARBの降圧効果を減弱させる.その影響は高齢者で著しい傾向がみられる1)

◎カンゾウの主要有効成分であるグリチルリチンの大量使用で低K血症を伴う高血圧(偽性アルドステロン症)をきたすことがある.特に漢方薬使用時には注意する.中止が困難であれば抗アルドステロン薬を用いる1)

◎グルココルチコイドも大量使用で血圧上昇をきたす.服用を中止できなければ,一般的な降圧薬(Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,β遮断薬,利尿薬など)を用いる1)

◎シクロスポリン,タクロリムス,エリスロポエチン,エストロゲン,交感神経刺激作用を有する薬物の使用で血圧上昇をきたす可能性がある.これらの薬剤使用で血圧上昇を認めれば,減量あるいは中止を考慮する.中止ができない場合には,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,α遮断薬などを用いる1)

睡眠時無呼吸症候群と高血圧の関係

著者: 吉村力 ,   安藤眞一

ページ範囲:P.1380 - P.1382

ポイント

◎OSASは肥満に多く存在するが,肥満を伴わないOSASも25~40%程度を占める.

◎本態性高血圧患者の30%に,治療抵抗性高血圧の80%にOSASが存在する.

◎SASは二次性高血圧の重要な因子である.

◎CPAPと降圧薬使用にて,相加的に血圧が低下する.

生活習慣修正指導のノウハウ

減塩

著者: 有田幹雄 ,   内川友起子

ページ範囲:P.1383 - P.1386

ポイント

◎高血圧の発症には,肥満や食塩摂取量など環境要因が大きく関与している.

◎高血圧患者の生活習慣の修正として減塩,栄養素の摂取,減量,運動,節酒,禁煙の6項目が示されている.

◎減塩モニタを用いてきめ細かな生活指導を行うことにより,減塩に成功した1例を提示した.

◎おいしい減塩料理の開発には栄養士と調理師の協力が不可欠である.

パターン食(チャンプルースタディ)

著者: 又吉哲太郎 ,   大屋祐輔

ページ範囲:P.1388 - P.1393

ポイント

◎個別の栄養素の摂取様態の変更による血圧改善効果は,食塩制限以外では十分なエビデンスがない.

◎複数の栄養素の摂り方の組み合わせのパターンが血圧を下げることが示されている.

◎単一の栄養素に的を絞った指導だけでなく,健康的とされる食事パターンを指導する方法がある.

◎パターン食の導入により,食行動の変容が誘導される可能性がある.

栄養指導の実際

著者: 髙木洋子

ページ範囲:P.1394 - P.1397

ポイント

◎高血圧患者に対して生活習慣の教育・修正を複合的に行う.

◎生活習慣を修正に導くためには動機付けが重要である.

◎生活習慣の主な修正項目は減塩,食塩以外の栄養素,減量,運動,節酒,禁煙である.

◎わかりやすく,具体的な指導を行う.

◎画一的な指導ではなく,個々の患者に合わせた指導が効果的であり実践に結びつく.

運動療法

著者: 高橋敦彦 ,   久代登志男

ページ範囲:P.1400 - P.1405

ポイント

◎運動療法の対象となるのは中等度以下の血圧値で,心血管病のない高血圧患者である.

◎運動は降圧効果だけでなく,肥満軽減,糖・脂質代謝改善効果が期待できる.

◎高血圧の運動療法開始にあたり,冠動脈疾患の有無を確認することが重要である.

◎有酸素運動に加え,軽度のレジスタンス運動,ストレッチ運動を組み合わせる.

◎高血圧患者は運動強度が強すぎると運動中に血圧上昇をきたす可能性がある.

降圧治療のノウハウ

各種降圧薬の特徴と適応,使用上の注意

著者: 植田真一郎

ページ範囲:P.1406 - P.1415

ポイント

◎主要な降圧薬としてはCa拮抗薬,ACE阻害薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB),利尿薬,β遮断薬がある.これらを使用しても降圧が不十分であるとき,あるいはこれらの薬剤が使用できないとき,α遮断薬,抗アルドステロン薬,直接レニン阻害薬も降圧薬として使用することができる.

◎利尿薬は併用薬として承認用量よりも低用量で用いる.

◎Ca拮抗薬,利尿薬,β遮断薬はプラセボと比較した臨床試験で心血管イベントリスクの減少が報告されており,ACE阻害薬やARBはそれまでの標準治療と比較して同等あるいは優れると報告されている.

◎ACE阻害薬では心不全,心筋梗塞後の左室機能低下,動脈硬化性疾患ハイリスク患者での予後を改善することが報告されており,ARBはこれらの疾患患者においてACE阻害薬が使用できない場合に適応となる.

◎β遮断薬は狭心症のほか心不全に適応をもつものがある.

◎肝臓で代謝される降圧薬(Ca拮抗薬)は相互作用をもつ薬剤(リファンピシン,マクロライド,グレープフルーツジュースなど)に注意する.

◎非ステロイド系抗炎症薬はほぼすべての降圧薬の薬効を減弱させる.

第一選択薬の決め方

著者: 石光俊彦 ,   後藤依里 ,   菅原里恵

ページ範囲:P.1418 - P.1422

ポイント

◎腎臓におけるNa排泄障害と末梢血管抵抗の増加が高血圧の主要な成因である.

◎交感神経系とレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が主要な血圧調節系である.

◎ガイドラインでは利尿薬,β遮断薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARBが第一選択薬として推奨されている.

◎高血圧の病態を考え,効果的で副作用の少ない降圧薬を選択する.

併用療法の手順

著者: 佐藤伸之 ,   長谷部直幸

ページ範囲:P.1423 - P.1427

ポイント

◎降圧薬併用療法としては,ARBを基礎薬として利尿薬もしくはCa拮抗薬(CCB)を併用する組み合わせが,最もよく用いられている.

◎CCBと利尿薬の組み合わせも,脳卒中の多い日本人に有用であるとのエビデンスが出されている.

◎β遮断薬と利尿薬の組み合わせは,代謝面の副作用が懸念されることから,今後のガイドラインでは改変される可能性がある.

◎3剤併用の場合はARB,CCB,利尿薬の組み合わせが最も用いられる.

配合剤を有効利用する

著者: 松村潔

ページ範囲:P.1428 - P.1431

ポイント

◎降圧薬の配合剤には,ARBと利尿薬あるいはカルシウム拮抗薬,カルシウム拮抗薬とスタチンの3種類がある.

◎配合剤の使用により,患者満足度は向上し,長期的にはアドヒアランスの改善も期待できる.

◎配合剤は,厳格な血圧コントロールあるいはリスク管理の面での有用性が期待できる.

治療抵抗性高血圧への対応

著者: 河野雄平

ページ範囲:P.1432 - P.1434

ポイント

◎治療抵抗性高血圧患者の診療においては,治療抵抗性の要因に留意し,それに応じた対策が重要である.

◎患者側の要因として,服薬アドヒアランス不良,生活習慣の不良(食塩過剰摂取,肥満,過剰飲酒など)に留意する.

◎医師側の要因は,降圧薬の使い方(利尿薬の不使用,類似の降圧薬の組み合わせ,用量不足)や,血圧を上げる薬剤の使用などである.

◎高血圧自体の要因には,白衣現象,腎障害,二次性高血圧などがある.

◎薬物治療では作用機序が異なる降圧薬を十分量用いることと利尿薬を含めることが基本で,不十分な場合には多剤を併用する.

合併症を有する高血圧への対応―何を使ってどこまで下げるか?

高齢者高血圧

著者: 大石充

ページ範囲:P.1436 - P.1439

ポイント

◎ガイドラインでは140/90mmHgが降圧目標値になっているが,後期高齢者では緩徐な降圧を心がける.

◎第一選択薬はCa拮抗薬,ARB,ACE阻害薬,利尿薬となっているが,各々の薬の特性を生かした選択が重要である.

◎ARB/ACE阻害薬使用時に鉱質コルチコイド反応性低ナトリウム血症(MRHE)による低ナトリウム血症に注意する.

糖尿病合併高血圧

著者: 浦信行

ページ範囲:P.1440 - P.1443

ポイント

◎血圧が高いほど心血管疾患死が増加するが,耐糖能異常合併でさらに増加する.

◎糖尿病合併高血圧の降圧目標値は130/80mmHg未満である.

◎第一選択薬はACE阻害薬かARBである.

◎第一選択薬で降圧が十分でなければ,増量もしくは他剤併用により目標を達成する.

◎推奨される併用薬は少量の利尿薬もしくはCCBである.

慢性腎臓病(CKD)

著者: 柏原直樹 ,   桑原篤憲 ,   藤本壮八

ページ範囲:P.1445 - P.1449

ポイント

◎慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)では,降圧療法が腎障害の進展抑制,心血管病合併抑制において重要な役割を果たす.

◎診察室血圧130/80mmHg以下を目標として,家庭血圧も含めた安定した降圧達成が重要である.

◎糖尿病あるいは蛋白尿を呈するCKD患者では,RAS阻害薬が第一選択薬となる.

◎RAS阻害薬単独で十分な効果が得られない場合は,少量利尿薬あるいはCa拮抗薬の併用を行う.

◎CKDでは原疾患と患者背景を考慮した降圧薬の選択,降圧目標設定など,個別化医療の実践が求められる.

高尿酸血症合併高血圧

著者: 浜田紀宏 ,   谷口晋一 ,   久留一郎

ページ範囲:P.1450 - P.1454

ポイント

◎レニン・アンジオテンシン系(RAS)亢進,インスリン抵抗性,交感神経,腎障害,血管障害などとの関連から,高尿酸血症と高血圧は併存しやすい.

◎広範囲をカバーする厳選された検体検査を定期的に行い,判定には複数回のデータを縦覧し,トレンドを意識する.

◎女性,痛風患者は高尿酸血症のなかでも高リスクと考える.また,アルコールによる早朝高血圧,果糖による血清尿酸値上昇に留意する.

◎降圧薬物療法は,可能な限り血清尿酸値の上昇が最小限となる組み合わせとする.特にサイアザイド利尿薬の使用法に注意する.

◎基本的には「6・7・8のルール」を踏襲するが,治療目標は合併症の発症・進展阻止であり,血圧値,臨床検査値を変化させることを自己目的化してはならない.

妊娠高血圧症候群

著者: 岩間憲之 ,   目時弘仁

ページ範囲:P.1455 - P.1460

ポイント

◎妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension:PIH)は,妊娠中または産褥期の女性が高血圧を発症する疾患であり,その周産期予後は不良である.

◎PIHの根本的な治療は,妊娠の終結(ターミネーション)である.

◎PIH管理の重要なポイントは,適切な血圧管理と胎児娩出時期の見極めであり,内科,産婦人科,新生児科の緊密な連携が必要である.

新しい高血圧治療

腎神経アブレーションの長期降圧効果

著者: 熊谷裕生 ,   大島直紀 ,   武智華子

ページ範囲:P.1462 - P.1465

ポイント

◎治療抵抗性高血圧患者を対象に,腎動脈の内側から,動脈外膜に侵入する腎神経束を焼灼する治療が行われている.

◎1回だけの腎神経アブレーションにより,2年もの長期間,本態性高血圧患者の血圧が安定して低下している.

◎高血圧のみならず,蛋白尿の減少,腎血管抵抗の低下,心不全の治療にも期待されている.

ワクチン療法

著者: 中神啓徳 ,   森下竜一

ページ範囲:P.1466 - P.1468

ポイント

◎ワクチンは外来抗原を排除する治療法だけでなく,Alzheimer病や高血圧治療にも応用可能な治療法である.

◎レニン・アンジオテンシンⅡを標的としたワクチン基礎研究が行われており,アンジオテンシンⅡワクチンではヒト臨床試験で降圧効果も確認できている.

◎将来的な治療薬として実用化されるための課題として,創薬と同等の高い有効性と安全性が求められる.

連載 顔を見て気づく内科疾患・8

口周囲放射状の皺・舌小帯の短縮:全身性強皮症

著者: 石丸裕康

ページ範囲:P.1313 - P.1313

患 者:60歳台女性

病 歴:約1年前から両手全体のこわばり感や屈曲しにくい,むくみ感があるといった症状が出現.症状が持続するため,当科を紹介受診.Raynaud症状あり.

実は日本生まれの発見・8

腸炎ビブリオ

著者: 柳原格 ,   本田武司

ページ範囲:P.1315 - P.1315

 大阪大学微生物病研究所正面入り口の上にある細菌感染分野の歴代の教授室には,志賀潔先生から腸炎ビブリオの発見者である藤野恒三郎先生に送られた金色の色紙が掲げられていた.この色紙の下,多くの感染症研究者が鼓舞激励を受け育った.

 敗戦後間もない社会不安のなかの1950年,大阪府南部で発生したシラス食中毒事件では,患者272人のうち20名が亡くなった.7名は,加熱後のシラスを食べて発症している.患者は食後2~6時間(一般的には12時間程度)で発症,激烈な腹痛,嘔吐,下痢,水様便,血便,脈拍やや頻数・細小,筋防衛は認めず,意識は最後まで明瞭,との記録がある.一方,同大学法医学の大村得三教授(当時)は,剖検所見として胃カタル症状,腸粘膜の著しい充血,回腸・空腸の軽度のびらん,脳の血管怒張,各臓器のうっ血,などを報告されている.

神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・5

複視

著者: 大生定義

ページ範囲:P.1474 - P.1477

症例:森本伸二(仮名)52歳男性

生来健康で職場の健診ではγGTPの高値をよく指摘されるが,ほかは異常を指摘されたことはない.時々酒を飲みすぎることがあるが,タバコは吸わない.物がダブって見えることには,2週間前書店でお釣りをもらうときに相手の手の上方に手を出したことで気がついた.その後,階段の足元が二重に見え,うまく歩けないこともある.会議などで向かいに座った人の顔が上下2つに見えることもある.近くの病院で血液検査(糖尿,炎症など)と頭部MRI/MRA検査を受けたが,異常は見つからなかった(結果持参).しかし,このままでよいのか心配で受診してきた.

問診票の診察前の血圧125/80mmHg,脈拍70回/分 整,体温35.6℃.

睡眠時無呼吸症診療の最前線・2

SASに対する口腔内装置治療

著者: 成井浩司 ,   葛西隆敏 ,   富田康弘 ,   徳永豊 ,   津田緩子 ,   山越志保 ,   百村伸一 ,   ,   ,   ,   ,  

ページ範囲:P.1478 - P.1482

口腔内装置(OA)治療の実際

成井 口腔内装置(oral appliance:OA)は日本において歯科診療報酬による健康保険が適用でき,医科における診断に基づきOAを処方されれば,歯科でOAを作成できます.OAの品質は歯科医師のスキルにかかっていますが,ある程度一定の品質が提供できるTwo-Pieceタイプのものもあります.睡眠時無呼吸症(SAS)に対するOAの場合,通常のモノブロックタイプでは患者の自己負担は約20,000円となりますが,Two-Pieceタイプは高額なことが多く保険ではカバーできないので,すべて患者さんの自己負担となります.

 通常のモノブロックタイプでは,口を開けたり飲食したりすることはできません.私も使っているTwo-PieceタイプのOAはフィットも良く,口も開けられて,水も飲めます.最初は使用しても少し鼾(いびき)が残っていましたが,後で下顎の位置の調整もできるので,今は使用中は鼾もかきません.

皮膚科×アレルギー膠原病科合同カンファレンス・17

むち打ち様紅斑と発熱

著者: 岡田正人 ,   衛藤光

ページ範囲:P.1484 - P.1489

後期研修医(皮膚科) 今回は発熱と皮疹で皮膚科を受診された68歳女性です.入院2週間前に自宅近くを5時間ほど歩行し,翌朝から倦怠感と筋肉痛,38℃台の発熱,そして体幹・四肢に軽度の掻痒を伴う発疹が出現しました.その後,1日2回の発熱が継続し,入院5日前にER受診され,感冒,蕁麻疹として解熱薬と抗ヒスタミン薬を処方されています.入院3日前に近医を受診し血液検査と血培陰性が確認されていますが,入院当日は38℃以上の発熱と皮疹などの症状持続のため皮膚科を紹介受診されました.

アレルギー膠原病科医 2週間の発熱と皮疹ということですね.特に新しい薬剤の摂取はないということでしたから,心内膜炎などの感染症,悪性リンパ腫などの腫瘍,膠原病としては年齢からは皮膚筋炎,Sjögren症候群,結節性多発動脈炎,側頭動脈炎,そして成人Still病(AOSD)などがまずは鑑別に挙がるでしょうか.皮膚病変は特徴的でしたでしょうか.

目でみるトレーニング

著者: 矢島隆二 ,   西澤正豊 ,   上村剛大 ,   西和男

ページ範囲:P.1490 - P.1495

書評

―大塚邦明 著―『時間内科学』

著者: 尾前照雄

ページ範囲:P.1399 - P.1399

 本書は「時間内科学」という大胆なタイトルで,時間生物学研究の歴史とともに時間医学発展の経過と現状が記述されたユニークで魅力的な解説書である.長年この分野の研究に情熱を注がれた著者自身の研究成果と見解がこの1冊に集約され,今後の発展についての夢が語られている.内科学の基礎である健康の保持と疾病の予防,診断と治療,リハビリテーションのすべての面で生体リズムに視点をおいた見解の発展が今後大いに期待されている.

 Circadianという言葉は通常の辞書には記載がないが,“circa”は「約」,“dian”は「24時間」を意味している.この表現を最初に用いたのは1959年,米国ミネソタ大学のFranz Halberg教授である.彼は時間生物学(生体リズム研究)とともに「時間医学」という新しい医学概念の提唱者である.著者は長年同教授とも親密な関係を保ち共同研究を行い,本書の冒頭に彼の推薦の言葉が述べられている.

―福原 俊一 著―臨床研究の道標―7つのステップで学ぶ研究デザイン

著者: 上野文昭

ページ範囲:P.1417 - P.1417

日本は世界で第何位?

 日本は世界有数の先進国である.経済大国であり先端技術でも世界をリードしている.ところが世界の一流医学雑誌に採択された日本発信の臨床研究は,世界で25位!という惨状である.しかも年々下降傾向にあるのは由々しき状況といえる.

 では日本の医学は二流なのであろうか? 否,ノーベル賞受賞者を輩出したことは記憶に新しい.臨床レベルだって決して世界に引けを取らない.問題はよい臨床研究が少ないことである.もっと正確に言えば,よい臨床研究を始めるためのお作法を知らな過ぎることである.

―Jane M. Orient 原著 須藤 博,他 監訳―サパイラ身体診察のアートとサイエンス―原書第4版

著者: 青木眞

ページ範囲:P.1497 - P.1497

身体診察の今日的意義

 本書を手に取った瞬間,最初に強く意識させられるもの,それは決してその難解な医学史的考証やラテン語文法の記載ではなく「南部」(米国南部)である.サパイラ自身が研修医時代を過ごした南部には独特の時間が流れている.それは北東部の競い合うような荒々しい速さとはきわめて異質な,どちらかと言えば湿度の高い緩やかに変化する時間とでも言おうか.

 本書は序文から「現代医療に最も不足しているもの.それは時間である」と指摘する.外来患者が午前中だけで20~30人(診察時間は1人平均5分あれば御の字)であり,スピードとテクノロジーが好まれ,情報がアナログからデジタルに変わって失われたものへの思いが薄く,医学部を平然と理系とする日本.このような国で,習得に多大な時間と忍耐・労力を要し,得られる所見の普遍性や境界の鮮明さに安定感を欠きやすい身体診察の本が,そして患者の訴えの背景にある人生に思いを馳せることを説く本書がどのように受け入れられるか.これが評者の最初の懸念であった.しかし繊細な人間関係・師弟関係を重視し,収入や利権と無関係に向学心・向上心が高く,経験値が物言う職人芸を愛し,その伝統・伝承を重視する日本の文化は南部的身体診察の文化と重なりも大きいと気付いた.もちろん肺炎には全例胸部CTなどという贅沢を続けさせる経済力に陰りが見え,身体診察が見直されるべき時期に日本が置かれていることは別としても…….

information

第35回腎臓セミナー

ページ範囲:P.1345 - P.1345

開催日時●2013年8月31日(土)8:55~16:15

開催場所●海運クラブ2Fホール 〠102-0093 東京都千代田区平河町2-6-4 海運ビル

国際学会で,英語で研究発表をしてみよう!~医学生,研修医のための「学会抄録・発表方法」ワークショップ~

ページ範囲:P.1427 - P.1427

去る5月25日に京都で開催された米国内科学会(ACP)日本支部年次総会2013では,多くの学生,研修医の参加があり,50編以上の演題発表(ポスター,英語)が行われました.そのなかから,学生部門,研修医部門,内科医師部門の優秀賞が各1名が選考され,口頭発表が英語で行われました.来年も,京都で開催されます(2014年5月30日~6月1日).

 医学研究・国際学会発表にトライしてみたいけど……,「どうやっていいのかわからない」「そもそも何を発表すればいいのか,皆目見当もつかない」,「身近に質問や相談できる人もいない」と思っていませんか? このワークショップでは国際学会で発表する前に,①発表内容をどうデザインするか? ②研究発表をどう効果的に行うか? について学びます.

 医学研究分野の豪華講師陣を迎えてのワークショップで,普段では聞けないような話を直接聞いてみましょう.全国から集まる同じような意識をもった同志と一緒に,医学研究や学会発表について学びながら,日々の学習や臨床業務に新しい視点を加えてみませんか?

日時●2013年11月9日(土)午後1時~3時

場所●福島駅前 ホテル辰巳屋.事前登録制.登録方法はwww.acpjc.jpで公開.問い合わせ先:acpws@cscenter.co.jp(事前登録参加費:学生1000円,研修医・若手医師3000円).受付期間:8月1日~9月30日.

第7回臨床研究デザイン道場inふくしま:「比較の質を高める」

ページ範囲:P.1460 - P.1460

日本プライマリ・ケア連合学会研究支援委員会は,「第7回臨床研究デザイン道場」を下記の要領で開催いたします.多くの皆様のご参加をお待ちしております.

 日本プライマリ・ケア連合学会 研究支援委員会

               委員長 大野毎子

セミナーの目的●

1)次の学会には,症例報告・取り組み報告から一歩前に踏み出してみませんか? そのために必要な臨床研究のデザインに必要なリテラシーを学びましょう.

2)当学会ではチームによる臨床研究助成制度を実施しています.その概要を説明します.

3)質の高い研究助成申請書の書き方には研究デザインこそが重要です.このWSで学びましょう.

4)今回のテーマは,やや高度な内容ですが,臨床研究の本質である「比較の質」としました.

対象●すべての医療者(学会会員,非会員を問わず)

日時●2013年11月9日(土)16:00~19:00

会場●福島駅前ホテル辰巳屋

   http://www.hotel-tatsumiya.com/

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電子版ISSN 1882-1189

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