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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻8号

2013年08月発行

文献概要

特集 今日から役立つ高血圧診療のノウハウ 二次性高血圧をどうスクリーニングするか?

薬剤誘発性高血圧

著者: 松浦秀夫1

所属機関: 1社会福祉法人恩賜財団済生会呉病院内科

ページ範囲:P.1376 - P.1379

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ポイント

◎非ステロイド性抗炎症薬は血圧を上昇させ,利尿薬,β遮断薬,ACE阻害薬,ARBの降圧効果を減弱させる.その影響は高齢者で著しい傾向がみられる1)

◎カンゾウの主要有効成分であるグリチルリチンの大量使用で低K血症を伴う高血圧(偽性アルドステロン症)をきたすことがある.特に漢方薬使用時には注意する.中止が困難であれば抗アルドステロン薬を用いる1)

◎グルココルチコイドも大量使用で血圧上昇をきたす.服用を中止できなければ,一般的な降圧薬(Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,β遮断薬,利尿薬など)を用いる1)

◎シクロスポリン,タクロリムス,エリスロポエチン,エストロゲン,交感神経刺激作用を有する薬物の使用で血圧上昇をきたす可能性がある.これらの薬剤使用で血圧上昇を認めれば,減量あるいは中止を考慮する.中止ができない場合には,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,ARB,α遮断薬などを用いる1)

参考文献

1)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):薬剤誘発性高血圧.高血圧治療ガイドライン2009,pp 110-112,ライフサイエンス出版,2009
2)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編):治療の基本方針.高血圧治療ガイドライン2009,pp 24-30, ライフサイエンス出版,2009
3)日本高血圧学会(編):薬剤誘発性高血圧.日本高血圧学会専門医取得のための高血圧専門医ガイドブック(改訂第2版),pp 215-217,診断と治療社,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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