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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻8号

2013年08月発行

文献概要

連載 神経診察の思考プロセス 一般内科外来のカルテから・5

複視

著者: 大生定義1

所属機関: 1立教大学

ページ範囲:P.1474 - P.1477

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症例:森本伸二(仮名)52歳男性

生来健康で職場の健診ではγGTPの高値をよく指摘されるが,ほかは異常を指摘されたことはない.時々酒を飲みすぎることがあるが,タバコは吸わない.物がダブって見えることには,2週間前書店でお釣りをもらうときに相手の手の上方に手を出したことで気がついた.その後,階段の足元が二重に見え,うまく歩けないこともある.会議などで向かいに座った人の顔が上下2つに見えることもある.近くの病院で血液検査(糖尿,炎症など)と頭部MRI/MRA検査を受けたが,異常は見つからなかった(結果持参).しかし,このままでよいのか心配で受診してきた.

問診票の診察前の血圧125/80mmHg,脈拍70回/分 整,体温35.6℃.

参考文献

1)長谷川修:ものがだぶって見える(複視),大生定義(編):すべての内科医が知っておきたい神経疾患の診かた―考え方とその対応,pp 39-44,羊土社,2013
2)岩田 誠:神経症候学を学ぶ人のために,医学書院,1994
3)都築欣一,他:外傷性両側滑車神経麻痺例の検討.日本眼科紀要39:278-281, 1988
4)Brazis PW:Isolated palsies of cranial nerves Ⅲ, Ⅳ, and Ⅵ. Semin Neurol 29:14-28, 2009
5)Hanson RA, et al:Abducens length and vulnerability? Neurology 62:33-36, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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