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特集 内科医のためのクリニカル・パール2 総合診療
総合診療のクリニカル・パール
著者: 北和也1 徳田安春2
所属機関: 1阪南市民病院総合診療科 2筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター総合内科
ページ範囲:P.1540 - P.1543
文献購入ページに移動認知症,精神疾患,小児など,意思疎通が難しく,問診・身体所見を十分にとれないケースは確かにある.そこで,「意思疎通が難しいので,さっさと検査だ!」となっても,大抵うまくいかない.意思疎通の困難なケースほど,より一層工夫して問診・身体診察を行うことが重要である.これは,「好中球減少症だから炎症所見がどうせ出にくいだろう」といって絨毯爆撃的な検査を行うのではなく,「より一層問診・身体診察に力を入れて,感染巣を絞り込む努力をしよう」という思考によく似ている.例えば,認知症患者における瞳孔の観察でArgyll-Robertson瞳孔(対光反射は消失するが近見反射は保たれているもの)を認めると,神経梅毒を疑うきっかけとなる(表1).妥協をするのは簡単であるが,妥協は診療をより複雑にするので後でしっぺ返しがくる.困難な症例ほど基本に忠実でありたい.
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