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文献詳細

雑誌文献

medicina50巻9号

2013年09月発行

文献概要

特集 内科医のためのクリニカル・パール2 腎臓・酸塩基平衡・水電解質

酸塩基平衡・水電解質・輸液のクリニカル・パール

著者: 柴垣有吾1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科

ページ範囲:P.1644 - P.1649

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腎不全・糸球体濾過量(GFR)低下時の酸塩基・電解質異常

体液量過剰だけでなく,体液量欠乏にもなりやすい

 GFR低下時では体液量過剰になりやすいことは想像しやすいが,実は体液量欠乏にもなりやすい.これは,塩分摂取量が急に低下した場合,尿細管ではNaCl再吸収を増やすことによって,塩分喪失を最小限にとどめているが,腎機能が低下している場合にはこの反応が遅れるため,しばらくそれ以前の塩分摂取量に相当する塩分排泄が続き,塩分喪失が大きくなるためである.これは臨床的には夏の熱中症や冬の感染性腸炎などにより,急激な塩分の摂取量低下や腎外喪失が増える場合に急性腎障害(AKI)を起こしやすいことに繋がる点で重要なポイントである.

参考文献

1)Adrogue HJ:Glucose homeostasis and the kidney. Kidney Int 42:1266-1282, 1992
2)Kassirer JP, et al:Critical role of chloride in correction of hypokalemic alkalosis in man. Am J Med 38:182-189, 1965
3)Kraut JA, Madias NE:Metabolic acidosis;Pathophysiology, diagnosis and management. Nat Rev Nephrol 6:274-285, 2010
4)Allon M, et al:Effect of insulin-plus-glucose infusion with or without epinephrine on fasting hyperkalemia. Kidney Int 43:212-217, 1993
5)Wenzel UO, et al:My doctor said I should drink a lot! Recommendations for fluid intake in patients with chronic kidney disease. Clin J Am Soc Nephrol 1:344-346, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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