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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻1号

2014年01月発行

文献概要

特集 消化器薬―新時代の治療指針 肝胆膵疾患

B型肝炎

著者: 黒崎雅之1

所属機関: 1武蔵野赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.64 - P.68

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ポイント

◎抗ウイルス治療の目標として,HBV増殖の持続的な抑制,さらにはHBs抗原の陰性化が重要視されている.

◎核酸アナログは,HBV増殖の逆転写過程を直接的に阻害する薬剤であり,長く服用することでウイルス増殖を抑制する維持療法である.

◎インターフェロンは抗ウイルス作用とHBVに対する宿主免疫反応の賦活を有するため,著効例では高率にHBs抗原まで陰性化する.

◎HBV既往感染者において,免疫抑制剤や化学療法によりHBVが再増殖して生じる肝炎をde novo B型肝炎という.この肝炎は重症化しやすいため,ガイドラインを順守し発症を阻止することが最も重要である.

参考文献

1)日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会:B型肝炎治療ガイドライン.肝臓54:402-472, 2013
2)Buster EH, et al:Sustained HBeAg and HBsAg loss after long-term follow-up of HBeAg-positive patients treated with peginterferon alpha-2b. Gastroenterology 135:459-467, 2008
3)Marcellin P, et al:Sustained response of hepatitis B e antigen-negative patients 3 years after treatment with peginterferon alpha-2a. Gastroenterology 36:2169-2179, 2009
4)坪内博仁,他:免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策―厚生労働省「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班劇症肝炎分科会および「肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究」班合同報告.肝臓50:38-42, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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