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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻1号

2014年01月発行

文献概要

特集 消化器薬―新時代の治療指針 肝胆膵疾患

自己免疫性肝胆疾患

著者: 高野啓子1 佐伯千里1 銭谷幹男1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科

ページ範囲:P.76 - P.80

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ポイント

◎自己免疫性肝胆疾患は稀な疾患であるが,適切な初期治療で予後が改善する可能性が高い.原因不明の肝障害ではその存在を考慮し,的確に診断し治療することが重要である.

◎自己免疫性肝炎の第一選択はステロイドである.十分な初期投与量で開始し,慎重に時間をかけ漸減する.再燃に気をつけながら最低2年は維持療法を続ける.

◎原発性硬化性胆管炎の第一選択はUDCAである.治療反応性は良好だが,治療抵抗例では肝硬変に至る前に門脈圧亢進症状が出現することが多い.進行例では移植を考慮する.

◎PSCは薬物療法が奏功しにくい.合併症が多く,進行症例は胆管拡張術さらには移植が検討されるため,専門医へコンサルトすることが望ましい.

参考文献

1)銭谷幹男,山本和秀:自己免疫性肝炎の診断・治療指針の作成ワーキング 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究,平成24年度 総括・分担研究報告書(研究代表者 坪内博仁),pp15-19,2013
2)高橋宏樹,銭谷幹男:自己免疫性肝炎の診断と治療―現況と問題点.医学のあゆみ228:879-883,2009
3)Manns MP, et al:AASLD Practice Guidelines;Diagnosis and Management of Autoimmune Hepatitis. Hepatology 51:1-31, 2010
4)Lindor KD, et al:AASLD Practice Guidelines;Primary Biliary Cirrhosis. Hepatology 50:291-308, 2009
5)Chapman R, et al:AASLD Practice Guidelines;Diagnosis and Management of Primary Sclerosing Cholangitis. Hepatology 51:660-676, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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