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増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド 症状別検査オーダーのポイント
頭部
著者: 大場洋1
所属機関: 1帝京大学医学部放射線科学講座
ページ範囲:P.110 - P.121
文献購入ページに移動CT・MRIの使い分け
頭部に関してCTの役割は限定的で,ほとんどの頭部疾患はMRIで評価される.MRIがCTよりも優れている点は組織コントラストが高いなど理由はさまざまであるが,一番の強みは,T1強調像,T2強調像,FLAIR像,拡散強調像,T2*強調像,磁化率強調像(susceptibility weighted image:SWI),などズルい程多くのシークエンスがあり,ルーチンMRI検査でも多数シークエンスを撮像することである.
CTはMRIのシークエンスの一つと同程度の役割とみなせる.頭部外傷直後や急性期脳卒中など救急頭部疾患では,撮像時間の長いMRIを撮らずにCTだけ撮って治療が施されることも多いが,最近では,MRI firstの救急施設も多くなっている.時間に余裕がある場合は,CTとMRIの両者を撮像するのがよい.CTの利点は,急性期の出血が高吸収で誰にでもわかりやすい,骨の評価,石灰化の有無の評価に優れることなどが挙げられる.MRIは骨(特に緻密骨)が評価できないので,これを補う意味で,CTでは骨条件の表示が必須である.
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