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文献詳細

雑誌文献

medicina51巻11号

2014年11月発行

文献概要

増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド 症状別検査オーダーのポイント

頭部

著者: 大場洋1

所属機関: 1帝京大学医学部放射線科学講座

ページ範囲:P.110 - P.121

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CT・MRIの使い分け

 頭部に関してCTの役割は限定的で,ほとんどの頭部疾患はMRIで評価される.MRIがCTよりも優れている点は組織コントラストが高いなど理由はさまざまであるが,一番の強みは,T1強調像,T2強調像,FLAIR像,拡散強調像,T2強調像,磁化率強調像(susceptibility weighted image:SWI),などズルい程多くのシークエンスがあり,ルーチンMRI検査でも多数シークエンスを撮像することである.

 CTはMRIのシークエンスの一つと同程度の役割とみなせる.頭部外傷直後や急性期脳卒中など救急頭部疾患では,撮像時間の長いMRIを撮らずにCTだけ撮って治療が施されることも多いが,最近では,MRI firstの救急施設も多くなっている.時間に余裕がある場合は,CTとMRIの両者を撮像するのがよい.CTの利点は,急性期の出血が高吸収で誰にでもわかりやすい,骨の評価,石灰化の有無の評価に優れることなどが挙げられる.MRIは骨(特に緻密骨)が評価できないので,これを補う意味で,CTでは骨条件の表示が必須である.

参考文献

1)下田雅美:MRI firstによる頭痛診断.脳神経外科37:325-341, 2009
2)大場 洋,他:脳動脈解離の画像.神経内科78:306-312, 2013
3)青木茂樹,他(編著):よくわかる脳MRI,第3版,秀潤社,2012
4)Iwamura A, et al:Diffuse vascular injury;Convergent-type hemorrhage in the supratentorial white matter on susceptibility-weighted image in cases of severe traumatic brain damage. Neuroradiology 54:335-343, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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