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雑誌目次

雑誌文献

medicina51巻12号

2014年11月発行

雑誌目次

特集 関節リウマチ・膠原病—症例で学ぶ診断と治療

著者: 金城光代

ページ範囲:P.2007 - P.2007

 研修医時代を振り返ってみると,自分自身で膠原病の疾患イメージがなかなか作れずに困った思い出がある.膠原病の面白さと難しさは,どんなところにあるのだろう.高血圧や糖尿病などに比べると疾患頻度が少なく,多彩な症状の組み合わせを呈することが,初期研修医にとっては難しいという印象をもたせるのだろう.逆に後期研修医レベルになると,症状の多様さと診断・治療のチャレンジを楽しいと感じる方も多いかもしれない.症状に合わせた身体所見の取り方,検査項目の解釈,免疫学に裏打ちされたさまざまな新しい治療など,習得すべき項目も多い.

 繰り返しコモンな疾患を経験すると,再び同じ疾患に出会っても診断に迷うことは少ない.例えば,咳・痰・発熱があれば肺炎,といったように症状からすぐ疾患を思い浮かべることができる.疾患頻度が少ない場合は,関節炎のパターンや特徴的な皮膚所見を知っていることが,鑑別疾患を想定する助けとなる.そしてもう1つは,学生時代に勉強したような各疾患の理解である.膠原病では,この2つの軸を組み合わせて勉強していくことになる.

特集の理解を深めるための29題

ページ範囲:P.2193 - P.2198

座談会

リウマチ・膠原病をどう診ていくか

著者: 金城光代 ,   岸本暢将 ,   星哲哉 ,   松村真司

ページ範囲:P.2008 - P.2015

早期診断・早期治療の時代へ

金城(司会) 本日はリウマチ・膠原病の診断と治療について,主に医療連携と教育の視点から,お話を伺っていきたいと思います.まず,関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)や膠原病をめぐる近年の変化について,岸本先生からお話しいただけますか.

岸本 RAに関しては,30年ぶりに分類基準(診断基準)が変更になりました.その理由としては,生物学的製剤,あるいはメトトレキサート(MTX)といった薬の登場によって,RA治療においてパラダイムシフトが起こったという点が挙げられるでしょう.早期の治療介入により患者さんの予後が大きく改善するということがわかってきたので,早期に診断することの重要性がよりクローズアップされてきたのだと思います.

関節リウマチ・膠原病を疑う時のアプローチ

関節炎からのリウマチ病の鑑別

著者: 上野征夫

ページ範囲:P.2016 - P.2019

ポイント

◎関節炎から疾患鑑別に入る方法はきわめて有用であり,まず関節痛,すなわち関節の痛みだけの場合と,関節炎とを明確に区別することが重要である.

◎関節炎とは,関節に腫れ,熱感,圧痛,あるいは時に発赤を伴う炎症所見が存在することを指す.

◎炎症が急性に生じたものなのか,あるいは慢性化しているものなのか,さらに1つだけの関節の炎症,すなわち単関節炎なのか,あるいはいくつかの関節に炎症がみられる多発性なのかを区別する.そしてその組み合わせで鑑別診断を絞ってゆく.

呼吸器・肺所見から考える膠原病

著者: 皿谷健

ページ範囲:P.2020 - P.2025

ポイント

◎膠原病肺の画像パターンを理解する(OP,NSIP,UIP,DADなど).

◎肺癌との鑑別となるリウマチ結節を理解する.

◎膠原病に関連した胸膜炎の代表例として,関節リウマチ,SLEの鑑別を理解する.

◎膠原病肺の特殊型として,肺アミロイドーシスも念頭に置く.

◎気道狭窄の鑑別には全身性疾患を念頭に置く.

皮膚所見から考える膠原病

著者: 衛藤光

ページ範囲:P.2026 - P.2030

ポイント

◎痒みのない持続性の顔面の紅斑は全身性エリテマトーデス(SLE)を疑う.

◎触知可能な紫斑は全身性血管炎を疑う.

◎急性の結節性紅斑に口腔アフタと陰部潰瘍を伴った場合はBehçet病を疑う.

神経障害から考える膠原病

著者: 坂上沙央里 ,   萩野昇

ページ範囲:P.2031 - P.2039

ポイント

◎無菌性髄膜炎はウイルス性であることがほとんどであるが,さまざまな自己免疫疾患に起因することがある.診断においては細菌感染の否定が非常に重要である.

◎全身性エリテマトーデス(SLE)やSjögren症候群に関連した横断性脊髄炎が報告されており,そのなかでも近年では抗aquaporin-4抗体陽性の脊髄炎が一群としてまとめられている.

◎血管炎による末梢神経障害は急性〜亜急性のmononeuropathy multiplexのパターンをとるのが特徴である.電気生理学的検査や神経生検を積極的に考慮する.

◎SLEの中枢神経病変は非常に多彩であり,また感染,ステロイドサイコーシス,可逆性後頭葉白質脳症(PRES),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)といったほかの病態と密接に関わっていることがある.

◎神経Behçet病は病変の脳幹・小脳への分布が特徴的で,髄液所見は細胞数および蛋白の中等度以上の上昇を示し,しばしばIL-6の著明な上昇を認める.

血液・尿所見から考える膠原病

著者: 中西研輔 ,   金城光代

ページ範囲:P.2040 - P.2045

ポイント

◎白血球分画をもとに絶対数を確認する.リンパ球減少は特に全身性エリテマトーデス(SLE)で多い.

◎慢性炎症性貧血のほか,自己免疫性溶血性貧血も念頭に置く.

◎血小板減少は,SLEや抗リン脂質抗体症候群にしばしば合併するが,溶血性貧血を伴う場合には,末梢血塗抹検査で破砕赤血球の有無を確認する.

◎糸球体腎炎や間質性腎炎を疑う場合には,SLEやSjögren症候群・血管炎症候群を鑑別に入れて精査する.

膠原病を疑う時の検査

著者: 宇都宮雅子

ページ範囲:P.2046 - P.2050

ポイント

◎抗核抗体(ANA)は“ANA関連疾患”を除外したい時,あるいは疑った時にオーダーする.

◎ANAおよび特異自己抗体などの検査は診断において重要であるが,検査のみが重要なのではなく,病歴・身体所見や病態の組み合わせなど,臨床上のcontextのなかで考え,判断する.

◎ANAや特異自己抗体が陽性になりうる他疾患,特に悪性腫瘍や感染症について把握する.

関節リウマチの診断・治療

関節リウマチの診断・検査

著者: 横川直人

ページ範囲:P.2052 - P.2059

ポイント

◎関節リウマチ(RA)の分類基準は2010年に新しくなり,早期RAでも分類可能となったが,鑑別診断を慎重に行う必要がある.

◎関節所見で滑膜炎の判断が難しい時は,関節超音波やMRIは有用である.

◎免疫抑制療法の開始前に結核とB型肝炎のスクリーニングを行う.

単純X線の評価—鑑別のための手単純X線読影

著者: 上地英司

ページ範囲:P.2060 - P.2066

ポイント

◎関節リウマチをはじめとした関節炎をきたす疾患の鑑別において,単純X線検査を施行する時は,基本的には手,足,罹患関節を両側かつ2方向(手の場合は正・斜)撮影と胸部X線を依頼する.

◎手単純X線の読影手順は,まず系統的な読影を行い所見を拾い上げ,次に鑑別疾患に特徴的な画像所見を確認する.

◎鑑別診断においては,特に骨びらんのパターンや罹患関節の分布が大きな参考になり,それぞれの疾患の特徴を意識して読影する.

関節リウマチ疾患活動性のモニタリング

著者: 土師陽一郎

ページ範囲:P.2067 - P.2071

ポイント

◎関節リウマチは寛解を目指して治療を行う.

◎寛解の達成のために医師と患者で相談し定期的に治療調整を行っていく.

◎複合的臨床指標であるCDAI・SDAIで活動性を評価する.

◎mHAQによる機能的評価やX線による画像評価も忘れてはならない.

関節リウマチのスタンダード治療

著者: 野村篤史

ページ範囲:P.2072 - P.2076

ポイント

◎関節リウマチは治療の進歩により,予後が飛躍的に改善した.寛解や低疾患活動性が治療目標であり,早期の治療介入と定期的な治療の評価,治療調整を行うことが重要である.

◎非ステロイド性抗炎症薬,ステロイドは長期使用のリスクを考慮し,症状が強い時の短期間の使用にとどめる.

◎疾患修飾性抗リウマチ薬はメトトレキサート(MTX)が使用できる場合はMTXを中心とした使用が勧められる.薬剤の特徴を理解し,必要に応じて併用療法を行う.

◎疾患活動性が高く予後不良が疑われる症例には,早期からの生物学的製剤の使用も考慮する.

スタンダード治療が適さない関節リウマチ治療

著者: 日髙利彦

ページ範囲:P.2077 - P.2085

ポイント

◎腎機能低下がある場合,メトトレキサート(MTX)は減量(葉酸併用下)・中止を考慮し,生物学的製剤も視野に入れつつ,他の治療薬を考慮する.

◎B型肝炎ウイルスキャリアあるいはB型肝炎ウイルス既感染者に免疫抑制療法を行う際は『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン』を参考にし,肝臓専門医にコンサルトする.

◎活動性高齢関節リウマチに対して,合併症と感染症リスクを評価したうえで,若年者同様のMTXと生物学的製剤を中心とする治療戦略が可能である.

◎妊娠中・授乳中の薬剤使用について悩む場合には,妊娠と薬情報センター(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html)に相談する.

リウマチ,膠原病と鑑別すべき疾患

結晶性関節炎

著者: 星哲哉

ページ範囲:P.2086 - P.2092

ポイント

◎単関節炎をみた時は,まず結晶性関節炎(痛風,偽痛風)と化膿性関節炎を考える.

◎結晶性関節炎を診断すると同時に,化膿性関節炎を確実に除外する.否定できない時は,そうとわかるまで化膿性関節炎も同時に治療する.

◎急性結晶性関節炎の初期治療は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とコルヒチンが中心となる.

◎痛風発作の予防には尿酸降下薬が治療の中心となるが,その適応を理解しておくことが重要である.

化膿性関節炎

著者: 織田錬太郎 ,   本郷偉元

ページ範囲:P.2093 - P.2100

ポイント

◎急性単関節炎では化膿性関節炎の除外のために,必ず関節穿刺を行う.

◎化膿性関節炎の原因微生物としては黄色ブドウ球菌,連鎖球菌属が多い.

◎高齢者や免疫不全者の場合にはグラム陰性桿菌も考慮する.

◎性活動のある成人の化膿性関節炎では,淋菌性関節炎も考慮する.

◎高齢者や慢性の経過では結核性関節炎も考慮する.

ウイルス性関節炎

著者: 押川英仁 ,   松井和生

ページ範囲:P.2102 - P.2107

ポイント

◎ウイルスによる関節炎の多くは急性の対称性多関節炎であるため,早期の関節リウマチとの鑑別が必要となる.

◎急性多関節炎の原因として遭遇する頻度の高いウイルス(B型肝炎ウイルス,パルボウイルスB19,風疹ウイルスなど)について特徴を知っておくことが重要である.

◎熱帯〜亜熱帯地方に最近滞在していた場合にはデング熱やチクングニヤ熱の可能性も考える.

◎リウマチ因子や抗核抗体などの自己抗体もウイルス感染によってしばしば偽陽性となることに留意する.

糖尿病,内分泌疾患と筋・関節症状

著者: 岸本暢将

ページ範囲:P.2108 - P.2112

ポイント

◎手のこわばり=リウマチや膠原病と決めつけず,内分泌疾患も鑑別に挙げる.

◎日常診療で高頻度の糖尿病,甲状腺疾患の筋骨格症候を覚えておく.

◎特発性炎症性筋炎の診断を下す前に,甲状腺機能のチェックを忘れずに.

◎抗甲状腺薬による薬剤性ANCA関連血管炎を忘れずに.

膠原病の診断・治療

全身性エリテマトーデス

著者: 岡田正人

ページ範囲:P.2113 - P.2118

ポイント

◎国際的に認められている全身性エリテマトーデス(SLE)の診断基準というものはない.

◎SLEの治療は対象となる病態により異なるため,SLEの治療というものはない.

◎薬剤の安全性は薬剤自体の特性より,使用する医師と患者の理解に大きく影響される.

Sjögren症候群

著者: 澤木俊興 ,   横川直人

ページ範囲:P.2119 - P.2123

ポイント

◎Sjögren症候群にはさまざまな腺外症状が存在する.

◎診断基準を用いて診断をつける.

◎Sjögren症候群とIgG4関連疾患との相違を理解する.

◎治療はSjögren症候群のさまざまな症状に対応して行う.

若年性特発性関節炎

著者: 山口賢一

ページ範囲:P.2124 - P.2128

ポイント

◎若年性特発性関節炎(JIA)と診断するだけでは不十分で,病型まで分類することにより適切な治療を行うことができる.

◎JIAに特有の合併症や治療中のウイルス感染症に注意を払う.

◎小児科の主治医あるいは小児リウマチ専門医との連携を保って治療を行うことが望ましい.

巨細胞性動脈炎,リウマチ性多発筋痛症

著者: 金城光代

ページ範囲:P.2129 - P.2134

ポイント

◎巨細胞性動脈炎(GCA:側頭動脈炎)の診断において,側頭動脈生検に代わる検査はない.

◎GCAによる大動脈炎では,動脈瘤や大動脈狭窄による四肢跛行などを認める.

◎リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断は,①疑う,②鑑別する,③ステロイド治療をして再度PMRらしさを評価する,のステップが重要である.

◎PMRのステロイド治療抵抗性の場合,高齢発症関節リウマチ,GCA,傍腫瘍症候群などの鑑別疾患を再度考える必要がある.

多発性筋炎,皮膚筋炎

著者: 綿貫聡 ,   横川直人

ページ範囲:P.2135 - P.2140

ポイント

◎筋症状に加えてRaynaud症状,関節症状,間質性肺炎などを呈する抗ARS抗体症候群が存在し,診断には抗ARS抗体の提出が有用である.

◎皮膚筋炎の診断時には,年齢と性別に応じた悪性腫瘍スクリーニングを行う.また再増悪時や治療抵抗性の場合にも,悪性腫瘍の存在や再燃を考慮する.

◎筋症状のない/乏しい皮膚筋炎(CADM)では急速進行性の間質性肺炎の合併に注意する.

成人Still病

著者: 岩波慶一

ページ範囲:P.2141 - P.2147

ポイント

◎成人Still病の診断に有用な皮疹は,日内変動を伴う紅斑と掻爬痕のKöebner現象であるscratch dermatitis(むち打ち様紅斑ともいう)であり,山口基準の「定型的皮疹」以外の皮疹が出現することが多い.

◎検査所見では炎症反応(CRP,赤沈)は全例で陽性であるが,血清フェリチンは正常であることもありうる.

◎治療はプレドニゾロン0.5〜1mg/kgで開始するが,血清フェリチン高値例では慢性関節炎型の経過をたどりやすく,メトトレキサートなどの抗リウマチ薬の併用を要する.

◎2系統の血球減少,肝機能障害,血清フェリチン高値の場合はマクロファージ活性化症候群の合併を疑う.

◎診断,治療に難渋する例は専門医へ紹介する.

Behçet病

著者: 小林達雄 ,   松井和生

ページ範囲:P.2148 - P.2151

ポイント

◎Behçet病の臨床症状や経過を理解し,まず疑うことが大切である.

◎診断基準もしっかり参考にするが,当てはまらない場合でも安易に除外しない.

◎治療はガイドラインを参考にしつつ,専門医と連携し,進めていくことが重要である.

脊椎関節炎

著者: 閔治先 ,   岸本暢将

ページ範囲:P.2152 - P.2156

ポイント

◎脊椎関節炎は関節痛や腰背部痛を主訴に来院する患者の重要な鑑別疾患である.

◎脊椎関節炎は関節リウマチとは異なる特有の関節所見を呈する.

◎脊椎関節炎には眼病変,腸炎,大動脈弁閉鎖不全症,皮膚病変などの関節外症状の合併がみられる.

◎単純X線写真の所見は脊椎関節炎の診断に必須ではない.

全身性強皮症

著者: 井畑淳

ページ範囲:P.2157 - P.2164

ポイント

◎全身性強皮症(SSc)においては早期診断の重要性が注目されており,新しい分類基準および超早期・早期SScを対象としたデータベースが欧米では構築されている.

◎自己抗体によって肺高血圧症などの臨床症状の出現頻度は異なる.

◎近年,SScに伴う肺高血圧症のスクリーニング法として新たなアルゴリズムが作成された.

◎SScの治療においては発病早期からの免疫抑制療法が評価されており,現在は生物学的製剤の有用性も検討されている.

ANCA関連血管炎

著者: 赤井靖宏

ページ範囲:P.2165 - P.2173

ポイント

◎ANCA関連血管炎(AAV)の症状は多彩であり,頻度の高い症状を知る必要がある.

◎AAVにおいては組織学的病変を確認することを常に考慮する.

◎AAVを診断する際には,感染症,悪性疾患や他の膠原病の除外が必須である.

◎急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は早期診断が重要である.

◎AAVとRPGNを疑った場合には,速やかに専門施設に紹介することが重要である.

高安動脈炎(大動脈炎症候群),結節性多発動脈炎

著者: 松井和生

ページ範囲:P.2174 - P.2179

ポイント

◎非高齢者の不明熱・不明炎症では,高安動脈炎,結節性多発動脈炎の鑑別を考慮する.

◎高安動脈炎は,大動脈弓とその分枝に病変を認めることが多く,血管雑音(bruit),脈拍減弱・消失,血管圧痛,四肢跛行などが診断の手がかりとなる.

◎結節性多発動脈炎は,筋痛,多発単神経炎,触知する紫斑,皮下結節・潰瘍,睾丸痛,腹痛,高血圧などの症状を認めるが,気管支喘息,肺病変,糸球体腎炎,抗好中球細胞質抗体(ANCA)は認めない.

膠原病緊急症

著者: 田巻弘道

ページ範囲:P.2180 - P.2183

ポイント

◎症状が原疾患によるのか,そのほかの理由によるのか(感染症など),しっかりと鑑別診断を挙げ,包括的に評価することが重要である.

◎緊急で重篤な臓器障害のため,上記の評価結果が揃う前に治療を開始する必要があることがある.

◎無作為試験に基づくデータのある治療はほぼなく,経験的な治療となることが多い.

膠原病関連症状に対する対症療法

膠原病疾患と精神症状の治療

著者: 山田宇以

ページ範囲:P.2184 - P.2187

ポイント

◎膠原病では不眠,うつ,躁状態,せん妄などの合併がみられる.

◎睡眠薬で効果不十分の場合は鎮静抗うつ薬の併用が効果的である.

◎疼痛合併のうつにはSNRIも選択肢に入れる.

◎ステロイド投与中の高齢患者ではせん妄にも注意する.

膠原病疾患と漢方薬治療

著者: 津田篤太郎

ページ範囲:P.2188 - P.2192

ポイント

◎膠原病の諸症状のうち,ステロイド薬や免疫抑制薬の増減で対応困難なものに,漢方薬治療の良い適応がある.

◎倦怠感には四君子湯(しくんしとう)や四物湯(しもつとう)をベースとする処方が有効である.

◎関節痛には,越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう),防已黄耆湯(ぼういおうぎとう),桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)などが有用で,場合によりそれらを混合して用いる.

◎乾燥症状には麦門冬湯(ばくもんどうとう)のほか,随伴症状により六味丸(ろくみがん)や八味丸(はちみがん)を使い分ける.

◎浮腫や冷えには,五苓散(ごれいさん)や附子(ぶし)が基本となるが,「気」や「血」の不足を補う処方を合わせて用いる.

連載 そのカルテ,大丈夫ですか?誤解を避ける記載術・11

—説明義務②—インフォームドコンセント

著者: 神田知江美

ページ範囲:P.2001 - P.2001

◎インフォームドコンセント

 3つの説明義務(①医療行為そのもの,②診療経過の報告,③患者の同意を得るため)のうち,今回は,③のインフォームドコンセント(informed consent:IC)についてです.

 エホバの証人輸血拒否事件で自己決定権が認められて以来,ICは医療行為を正当化するものとして,当然のように行われています.そして裁判において,ICが適切に行われたかどうかは,いわゆる「医療過誤」とは別個に判断されます.なぜなら,医療過誤によって患者が受ける権利侵害は「生命・身体」であるのに対し,ICが不十分なこと(IC義務違反)によって受ける権利侵害は「自己決定権」であるからです.

総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・4

突然発症の痛みは診断が絞れ,かつ緊急を要する

著者: 見坂恒明

ページ範囲:P.2199 - P.2201

 痛みの発症様式(onset)は,sudden,acute,sub-acute(またはgradual)に分類できます.特に突然発症(sudden onset)では,臓器が裂けた,あるいは詰まったことが想定されるため,血管,腸管,腫瘍などにおける,解離・穿孔・塞栓などの急性閉塞,捻転などの緊急事態をまず考えなければいけません.

 症状の詳細な問診について,第1回でLQQTSFA(Location,Quality,Quantity,Timing,Sequence or Setting,Factor,Associated manifestation)を紹介しましたが,同様なものにOPQRST(表1)があります.特に痛みの性状を問う際には,このOPQRSTが使われることが多いです.

研修医に贈る 小児を診る心得・5

母親の話を聴く

著者: 加藤英治

ページ範囲:P.2202 - P.2203

 中学生になると時に一人で小児科を受診することがありますが,普通は大人の家族が子どもを連れて受診します.私が小児科医になった頃は母親か祖母が付き添って来ました.時代の流れなのか,十年余り前から父親が子どもを連れてくるようになりました.最初は私自身が男親に慣れておらず,また母親に命じられて来院したためか父親も要領を得ず,お互いにぎこちない対応をしたことを思い出します.

 近年,父親の付き添いも当たり前になりましたが,現在でも子どもを連れてくるのはほとんど母親です.「母親の話を聴く」と題しましたが,母親だけでなく父親や祖父母も含めて保護者の話を聴くことと理解してください.

失敗例から学ぶプレゼンテーション患者説明から学会発表まで・7

プレゼンのアウトライン

著者: 植田育子 ,   田中雅美 ,   竹本文美 ,   八幡紕芦史

ページ範囲:P.2204 - P.2208

面白いが中身のないプレゼン

 あなたは,卒業生を対象とした同門会主催の講演会に参加した.今回は「機能性食品とアンチエイジング」というテーマで学長が講演する.あなたは機能性食品について興味があり,学長の講演を楽しみにしていた.

 講演会が始まると,学長は,司会者に紹介され,大きな拍手で迎えられ登壇した.「では,挨拶を抜きにさっそく始めたいと思います」と話し始め,「特定保健用食品の申請がいかに複雑で大変か」とか「研究費の獲得の苦労話」をユーモアたっぷりに話し続けた.聴き手は,日頃は雲の上の学長を身近に見ながら,しきりに笑い,感心しながら聴いていた.

魁!! 診断塾・8

思ったより高かった!?の巻

著者: 佐田竜一 ,   綿貫聡 ,   志水太郎 ,   石金正裕 ,   忽那賢志

ページ範囲:P.2209 - P.2213

子宮筋腫,乳癌の既往のある55歳の女性が,当日朝からの左下肢の脱力を主訴に来院した.来院前日まで元気で,いつも通り仕事に出かけることが可能であった.当日の起床後も普段と変わりなく,ゴミ出しに行ったり,朝の体操をしたりしていた.その後,朝食を食べ終えて片づけをしようと,食器を持って歩き出したところで,左腰〜太ももにかけてガクッと力が入らない感じが出現して歩けなくなったため,当院ERを受診した.

既往歴は右乳癌(30年前に全摘術)のみで,家族歴に目立ったものはない.内服歴,アレルギー,喫煙歴,渡航歴,シックコンタクト,先行感染症状などに目立ったものはなかった.

 

※「図2 脊髄内の運動および知覚路」は,権利者の意向等により冊子体のみの掲載になります.

Step up腹痛診察・15

67歳,女性下腹部痛,腹部膨満感

著者: 小林健二

ページ範囲:P.2214 - P.2217

[現病歴]最近1カ月ほど,間欠的な下腹部の膨満感を自覚するようになった.約1週間前から膨満感に加えて,下腹部の鈍痛を自覚するようになった.痛みの強さはNumeric Rating Scale(NRS)で2〜3/10くらいだった.放散痛はなく,食事や体動による増悪はなかった.痛みは徐々に始まり,1〜2時間持続した.便通は以前から週に3回程度で,緩下剤などは用いていなかった.最近の排便習慣の変化はない.膨満感や下腹部痛は排便後に軽快することもあったが,常に改善するわけではなかった.排便は普通便で血便は自覚していない.食欲はあり,体重減少もない.

[既往歴]虫垂炎(15歳時),左乳癌で手術(51歳時).

[常用薬]リセドロン酸ナトリウム(ベネット®),アトルバスタチン(リピトール®).

[社会歴]喫煙:しない.飲酒:ワイン グラス1杯/回,月に1〜2回程度.

西方見聞録・11

ミキュー,シキュー,何それ???

著者: 山口典宏

ページ範囲:P.2218 - P.2219

 「血圧が低いわ.ミキューレベルのケアが必要ね」

 「そうだね,ミキューへ送ろう」

目でみるトレーニング

著者: 阿久澤暢洋 ,   甲斐基一 ,   大串昭彦 ,   杉岡隆

ページ範囲:P.2220 - P.2225

患者さんは人生の先生・11

“治療”が“善”とは限らない

著者: 出雲博子

ページ範囲:P.2229 - P.2229

 われわれが研修医だった35年前は、癌は不治の病と考えられており、なかでも膵臓癌は発見が遅れがちで手術もできず、発見時に余命2〜3カ月の宣告をしなければならなかった。しかし、その後の抗癌治療の進歩はめざましい。先頃、手術不可能な膵臓癌が化学療法により径5cmから1cmに縮小した症例を経験した。この50歳台の男性は退院後、糖尿病外来に元気に通院している。乳癌などは近年、一次的に抗癌剤による脱毛などで苦しむことはあっても、完治する患者さんも多い。

 しかし、抗癌剤の副作用は厳しいものがあり、癌そのものより患者さんを苦しめることも少なくない。私が診ている橋本病の75歳の女性は5年前、検診で乳癌を発見された。まず化学療法と放射線治療にて腫瘍の縮小を図った後、乳房摘出術が行われた。ある日、外来受診時、患者さんは大変つらそうに、脱毛と倦怠感、手のしびれなどを訴えた。甲状腺値は正常であったので抗癌剤の副作用と考えられるから、それを処方している医師に話してみるように勧めたところ、「乳腺科の先生は忙しいし、薬について不満は言いにくい」という。私は、「乳癌をもっているのは医者でなくあなたであるし、治療についてはあなたが決める権利があるのですよ」と背中を押した。次回の私の外来再診時、患者さんが、「乳腺科の先生に話したら、薬を調整してくれました。その後、大分楽になりました」と明るい表情で話してくれた。

REVIEW & PREVIEW

Clostridium difficile感染症

著者: 柳秀高

ページ範囲:P.2226 - P.2228

最近の動向

 クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile:CD)は1935年にヒトの便から分離され,嫌気培養が必要で培養困難であったことから当初はBacilus difficilisと呼ばれた1).1970年にはCDがトキシンA, Bを産生し,偽膜性腸炎を起こすこと(Clostridium difficille infection:CDI)が認識された2).そして2002年にカナダで重症のCDIが増加していることが報告されたのを皮切りに3),同様の報告が続いている.ここで分離された株は「NAP1/BI/027」(North American pulsed-field gel electrophoresis type 1, restriction endonuclease analysis type BI, PCR ribotype 027)と呼ばれ,重症感染を起こすことで知られている.

書評

—今井博久,福島紀子 編—これだけは気をつけたい高齢者への薬剤処方

著者: 武藤正樹

ページ範囲:P.2208 - P.2208

 高齢者の薬剤処方で,「ひやり,はっと」した経験をお持ちの方は多いだろう.もともと外科医で,今も週2回の外来診療を行っている評者にもこうした経験は少なからずある.若いころ高齢者の外鼠径ヘルニアの術前の投薬で,ジアゼパムと塩酸ヒドロキシジンを使ったら,術後,延々と24時間以上も患者さんが眠ってしまって,目覚めるまでドキドキしたことがあった.

 またニューヨークのブルックリンで家庭医の留学をしていたころのことだが,老年医学の専門医がいつも口癖のように言っていたことを思い出す.「高齢者をみたらまず薬を疑え!」.高齢者は多剤投与になりがちだし,医薬品による有害事象も出やすい.米国ではこうした高齢者の薬剤処方に関して,老年医学の専門家のMark H. Beers氏が1991年に初版を発表した「ビアーズ基準(Beers Criteria)」が用いられている.ビアーズ基準では,有害事象の重篤度の点から高齢者に使用を避けるべき薬剤の一覧表を示していて,2012年版には約90種類の医薬品のリストが挙げられている.

information

第23回肝病態生理研究会演題募集のご案内

ページ範囲:P.2045 - P.2045

日時●2015年5月20日(水)13:00〜17:00(予定)

場所●ホテル日航熊本(予定)

 〠860-8536 熊本県熊本市中央区上通町2-1

第37回「JALC母乳育児支援学習会in東京」のご案内

ページ範囲:P.2187 - P.2187

日時●2015年1月25日(日)9:45〜16:00(開場9:15)

場所●シェーンバッハ・サボー 東京都千代田区平河町2-7-5

 http://www.sabo.or.jp/kaikan-annnai/bekkan.htm

「ERアップデートin東京ベイ2015」のご案内

ページ範囲:P.2217 - P.2217

 「明日から使える!」を合言葉に,最強の講師陣による「救命救急の最前線」から「つい見逃してしまう日常診療の重要なポイント」まで,魅力あふれる講義とワークショップが満載の「ERアップデート」.2015年の冬も,東京ディズニーリゾートのオフィシャルホテルを舞台に「日常の研修では学ぶことのできない」知識と技術の数々をお伝えします! 全国から集結する,熱い志をもつ研修医の先生方と一緒に,勉強と遊びに充実した2日間を過ごしてみませんか? ぜひ,ご参加ください!

*事務局の変更により今回から問合せ先が変更になっていますのでご注意ください.

日程●2015年2月14日(土)〜15日(日)

会場●サンルートプラザ東京(http://www.sunroute-plaza-tokyo.co.jp/)

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バックナンバーのご案内

ページ範囲:P.2236 - P.2237

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出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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